【差を生むブランド力】輸入車 5月の登録台数ランキング 緊急事態宣言下、顧客を掴む2社
公開 : 2021.06.20 11:25 更新 : 2022.11.04 13:53
5月の輸入車の登録台数レポートです。昨年の5月に比べると162.3%と、回復基調を継続。ランドローバー、マクラーレンは追い風に乗りつつあります。
コロナ禍前の水準には、ひと伸び足らず
新型コロナウイルス感染症はいったん収まるかに見えたが、再び猛威を振るい始め、都市部では4月25日から3度目となる緊急事態宣言が発令。
当初の予定期間では感染拡大が収まらず、6月20日まで延ばされたのはご存知のことだろう。
宣言下でのセールスとなった5月は、感染の心配がなく“個”で移動できるクルマの有用性と、海外はおろか国内旅行への行きづらさの反動もあり、高価格帯の買い物が伸びる傾向に。その1つとして、クルマが選ばれていると分析されている。
輸入車の新規登録台数を見ると、5月は2万187台を数え、前年同月比で162.3%と大幅な回復になった。
過去の5月と比較してみると、2020年は1万2439台、コロナ前の2019年は2万3273台を登録。2021年5月を2019年の実績と比べると86.7%に留まる。
ひと月前の4月は、2021年を2019年と比べると93.2%だったので、5月は勢いがダウンした形になる。完全復活するには、もう少し時間がかかりそうだ。
それでも、第1回緊急事態宣言下の2020年5月と比べれば、ほとんどのメーカーが大幅回復に転じており、マイナスになったのはアバルト(同94.9%)、ロータス(同60.0%)、フェラーリ(同88.2%)、ランボルギーニ(同63.3%)の4社だけ。
一方で好調なセールスを記録しているのが、クロカン4駆を原点に時代に合わせて進化してきたランドローバーだ。
ランドローバー ラインナップの強み
ランドローバーは、本格クロカン4WDからプレミアム4WDまでの幅広いラインナップが、SUV時代にマッチした結果といえよう。
またレジェンド・ブランドの本物の4駆が、イヴォークなら495万円から、本格オフローダーのディフェンダーは551万円から買えるという身近さも見逃せない。
登録実績を振り返ると、コロナショックの間はマイナスとなったが、2020年10月には盛り返して前年同月比で155.8%を記録し、11月は150.7%と回復した。
2021年は、2月こそ伸び悩んだが3月から再びプラスに転じ、この4月は243.7%とジャンプアップ。5月は602台を登録し、466.7%をマークした。
ランドローバーの日本法人は、この結果について「昨年の5月は1回目の緊急事態宣言が発令されて社会活動が停止したことと、コロナ禍でイギリスでの生産が中断された状況もあり低調に終わりました。そのため今年は前年同期比で見ると数が増えています」と、冷静に分析。
それでもモデル別で見れば、「ディフェンダーの本格的なデリバリーが始まったことにより、好結果を牽引しました」と、ブランド力がぶれない本格オフローダーをラインナップする強みが出た形となる。
同じくイギリス車では、スーパーカーメーカーのマクラーレンが、5月の登録台数で19台と、高価格帯ながら前年同月比135.7%を記録。
さらに、4月~5月に正規ディーラーで実施された新型車「アルトゥーラ」のお披露目ツアーはカスタマーの反応が非常によかったという。
デリバリー開始はまだ先になるから5月の台数には含まれないが、2021年のキーモデルとなるこの軽量ハイブリッド・スーパーカーを、マクラーレン日本法人の正本嘉宏代表はどう見ているのか?