【各国で売れ行き好調】ルノー・アルカナ Eテック145へ試乗 新型クーペSUV登場

公開 : 2021.07.02 08:25  更新 : 2021.12.21 15:49

ルノーが発売した、まったく新しいクーペSUVがアルカナ。バックオーダーを抱えるほどの人気モデルを、英国編集部が評価しました。

1万台以上のバックオーダーを抱える人気

text:Steve Cropley(スティーブ・クロップリー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ルノーの最高経営責任者に就任した、ルカ・デメオ。彼が掲げるルノーリューションという新戦略のもと、ブランドは一新されようとしている。

その手始めとして登場したのが、手頃な価格のハイブリッド・クーペSUV、アルカナだ。ここから、電動化技術の拡大を推進していくことになる。

ルノー・アルカナ Eテック145 RSライン(欧州仕様)
ルノー・アルカナ Eテック145 RSライン(欧州仕様)

アルカナはCセグメントに該当するまったく新しいモデルで、2025年までに電動化技術を採用した14車種を導入するという計画に含まれる1台。ちなみに、その半数は純EVになるという。

特にルノーがシェア拡大を図りたいと考えているのが、フォルクスワーゲン・ゴルフが該当するセグメント。欧州では最大の市場規模を持つカテゴリーで、ルノーの売り上げの40%を占めている。

アルカナのほかにも、Cセグメントに該当する2台の電動モデルが準備中。そこには、純EVとなるメガーヌクロスオーバーも含まれる。

そんなデメオCEOの期待作といえるアルカナだが、発売が始まったフランスやドイツ、イタリア、ロシア、スペインなどではかなりの支持を集めている。バックオーダーは1万台を超え、現在も急速に増加中。ディーラーは嬉しい悲鳴だろう。

このアルカナは韓国のルノー・サムスンが製造し、現地ではXM3という車名で売られている。こちらも大成功のスタートを切っており、グローバルカーだとするルノーの主張も充分に納得できる。

人気を支えているのが、スポーティな方か実用重視の方か、どちらかを選択する必要がないという強みにあるようだ。

妥協のないリアシート空間や荷室容量

アルカナは、ルノー・日産三菱アライアンスが有する、非常に多用途なCMF-Bプラットフォームをベースにする。ルノー・クリオ(ルーテシア)やメガーヌも採用するもので、アルカナではホイールベースが延長された。

ルノー・カジャーが利用するプラットフォームより設計は新しく、強固で軽量。充実した安全機能を前提としており、自律運転と多彩な電動化にも対応している。

ルノー・アルカナ Eテック145 RSライン(欧州仕様)
ルノー・アルカナ Eテック145 RSライン(欧州仕様)

ルノーの技術者がアルカナの強みとして自信を示す部分が、クーペ風のハイカラなルーフラインを採用しつつ、リアシート側の空間や荷室容量に妥協がないということ。Cセグメントのモデルとして、充分競争力の高い広さを獲得できている。

ゆとりのある車内のカギが、全長4568mmに対し、比較的長い2720mmというホイールベース。筋肉質なデザインを与えつつ全高が高く、リアガラスを大きく傾斜させながらも、車両後部の空間を巧みに生み出している。

英国で販売されるアルカナには、アイコニックとSエディション、RSラインの3種類のトリムグレードが用意される。どれも装備は充実しているが、SエディションとRSラインにはアダプティブ・クルーズコントロールと3段階のドライブモードも標準で付く。

さらに試乗車のRSラインは、エキゾチックな18インチ・アルミホイールにクローム・マフラーフィニッシャー、スポーツシートなどで飾られる。ハニカムメッシュのフロントグリルは、F1をイメージしたものだという。

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