【シトロエン流のPHEVとは】C5エアクロスSUVに、プラグインハイブリッド リアはマルチリンクに

公開 : 2021.06.24 19:00  更新 : 2021.07.27 14:50

シトロエン日本法人が、電動化の第1弾モデルを発売。個性豊かなブランドが送り出す「C5エアクロス」のPHEV仕様は、どんな魅力があるのか考えます。

どんなパワートレイン?

text:AUTOCAR JAPAN編集部

シトロエン日本法人が、電動化戦略の第1弾となるモデルを日本発売した。

全長4.5mの中型SUVモデル「C5エアクロスSUV」は、ディーゼル仕様/ガソリン仕様をこれまで提供してきたが、新たに「プラグイン・ハイブリッド仕様」が加わった形になる。

C5エアクロスSUVプラグインハイブリッド(外装色ブルーチジュカ/全長4500×全幅1850×全高1710mm/車両重量1860kg)
C5エアクロスSUVプラグインハイブリッド(外装色ブルーチジュカ/全長4500×全幅1850×全高1710mm/車両重量1860kg)    シトロエン

C5エアクロスSUVプラグインハイブリッドについて、同社のマーケティング部門を率いるトマ・ビルコ氏は、「シトロエンのクルマですからコンフォートです」と説明する。

「エンジン音がなく、排気ガスと匂いが最小限におさえられ、非常にスムースな乗り心地です」

パワートレインは、1.6Lガソリン・ターボ(180ps/30.6kg-m)と、フロントモーター(110ps/32.6kg-m)という組み合わせ。8速オートマティック・トランスミッションを介して前輪を駆動し、システム統合出力は225psを発揮する。

駆動用のリチウムイオン・バッテリーは容量13.2kWhで、後席下に配置。

これにより後席の居住スペース/荷室スペースが、ディーゼル仕様/ガソリン仕様と実用上変わらないのが売りだ。

サスペンション形式/充電時間

パワートレイン種別に依存しないパッケージングは、グループPSAが提唱する「パワー・オブ・チョイス」という戦略を形にしたもので、同グループの電動化におけるキーメッセージとなっている。

シトロエンブランドの日本におけるプロダクトマネージャーを務める水谷昌弘氏は、「電動車専用モデルではなく、エンジン車をベースとして、室内スペースを犠牲にすることなく電動モジュールを搭載しました。お客様には同じパッケージングのモデルを、パワートレイン、すなわちガソリンかディーゼルか電気かを選択いただくというわけです」と説明する。

プラグインハイブリッド仕様は、200Vの普通充電のみに対応。それでも日本における「乗用車ユーザーの1日の平均的な走行距離を優に上回る」航続距離65kmを走る電力を、寝ている間に充電できる。
プラグインハイブリッド仕様は、200Vの普通充電のみに対応。それでも日本における「乗用車ユーザーの1日の平均的な走行距離を優に上回る」航続距離65kmを走る電力を、寝ている間に充電できる。    シトロエン

つまり、メーカーの都合でユーザーがパワートレインを選ばされるのではなく、パッケージングが同じものをメーカーが提供することで、ユーザーが主体的にパワートレインを選べるという発想だ。

今回加わるPHEV仕様で興味深いのは、サスペンション形式の変更。

駆動バッテリー搭載による後軸荷重の増加に対応するため、リアサスペンションは専用のマルチリンク式に変わっている。ディーゼル/ガソリンはトーションビーム式だ。

このサスペンションのポテンシャルアップと、バッテリー搭載による前後重量配分の改善により、PHEV仕様はハンドリング・乗り心地がレベルアップしたという。

注目のバッテリー充電は、200Vの普通充電のみに対応。満充電には、3kWで約5時間、6kWで約2.5時間を要する。

一充電走行距離はWLTCモードで65km。EV走行時(エレクトリック・モード)の最高速度は135km/hとなっている。

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