【注目集まるも】新型ホンダ・シビック SUVシフト/「国民車」Nボックスの間でどう生きる?
公開 : 2021.06.27 05:45 更新 : 2021.06.27 07:16
新型ホンダ・シビックの注目度は高いものの、実売に結び付くかは不透明。ホンダ図式の中での「シビック」を考えます。
今や上級「市民」 もう「ド真ん中」ではない
ホンダは2021年6月24日、日本で2021年秋に発売予定の11代目シビック(ハッチバック)をオンライン上でワールドプレミアした。
このニュースを知って「なぜホンダはシビックをつくり続けるのか?」という気持ちを持った人が少なくないのではないだろうか。
なぜならば、タイプRを愛する熱狂的なシビックファンを除けば、日本でのシビックの存在感がけっして大きくないからだ。在りし日のように、シビック(市民)という名が示すような大衆車として「日本における日本車のド真ん中」という状況ではない。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会による乗用車ブランド通称名別順位では、2020年度(2020年4月~2021年3月)にシビックは8880台で48位だった。
1つ上の47位はEVの日産リーフ(9491台)、さらに2つ上の45位がセダンのカムリで1万1324台だ。
さらに、車格的にはシビックと同格でセダンやハッチバックを持つカローラになると、11万2777台とシビックの約13倍も売れている。
シビックがモデル末期である一方で、カローラは2017年以降に各種モデルチェンジした比較的新しいモデルとはいえ、シビックとカローラとの差は歴然だ。
だからといって、日本人がシビックに関心が薄いのかといえば、そうでもないようだ。
販売振るわず でも新型への注目度は高し
日本市場を念頭においたハッチバック型の11代目シビックのワールドプレミアは、日本時間で2021年6月24日午前10時に実施された。
ホンダのホームページにユーチューブのリンクも示され、約9分間の動画の中で開発責任者の佐藤洋介氏、エクステリアデザイナーの浅野一麿氏、インテリアデザイナーの小川泰範氏、そして車体研究開発責任者の山上智行氏が新型シビックにこめたそれぞれの想いを語った。
キーワードは「爽快」である。
先に登場しているフィットでは「ここちいい」を商品コンセプトとしており、新型シビックでもそうしたホンダの「人中心」の開発思想が明確になった。
こうした中、エンバーゴ(情報公開日)を過ぎたことで新型シビックに関するニュースがネットメディアで一気に拡散。ヤフー・ニュースの経済ランキングでも、新型シビック関連ニュースが上位を占めた。
果たして、こうしたシビックへの関心の高さが、シビックの実売に結び付くのだろうか?
直近の日本市場でのホンダは、ヴェゼルの新車効果が大きく、さらに「日本での日本車のド真ん中」であるNボックスが下支えし、フィットはやや苦戦という状況にある。
こうした日本市場でのホンダ図式の中に、新型シビックがどうはまるのか?