【祝 GTI誕生45周年】フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツ45へ試乗 300ps

公開 : 2021.07.09 08:25  更新 : 2021.07.09 21:20

VWゴルフGTIのレシピを完全なものにするクラブスポーツ。追加となった45は、さらなる磨き込みを達成しているのか、英国編集部が評価しました。

これまでで一番高いゴルフGTI

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
うっかり大切な記念日を忘れていた、という経験をお持ちの読者も少なくないと思う。だが近年の自尊心ある自動車メーカーは、確実に覚えている。アニバーサリー・モデルを投入する絶好の機会になるからだ。

フォルクスワーゲンは2007年に発表したエディション30以来、5年毎にゴルフGTIの誕生を祝ってきた。そして2021年はGTIの誕生45年目。これまでのアニバーサリー仕様は、いずれも素晴らしいものだった。最新版の登場も歓迎したいところ。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツ45(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツ45(英国仕様)

今回、真っ先に触れておきたいのが価格。45周年を記念するクラブスポーツ45の英国価格は、3万9980ポンド(615万円)に設定されている。これまでのゴルフGTIの中で最も高い。さらにハイエンドな、ゴルフRよりも。

ゴルフRの場合、EA888型と呼ばれる2.0L 4気筒ターボエンジンは共通だが、クラブスポーツ45より20psハイパワー。また前輪駆動ではなく四輪駆動で、フラグシップとして動的性能を際立たせる知的なクラッチシステムも備わっている。

そう考えるとクラブスポーツ45は、うかつに手を出すべきモデルではないと感じられるはず。あえての1台といえる。

45周年を記念して採用される主な装備は、アクラポビッチ社製のチタンエグゾーストに、19インチホイール、メタリックブラックのドアミラーカバーと大きなリアスポイラーなど。ボディサイドに「45」が記されるが、目立つ違いとはいえないだろう。

メカニズムはクラブスポーツに準じる

ただし、ベースモデルは通常のGTIではなく、名前の通りわれわれが高く評価するGTI クラブスポーツ。よりシリアスな走りを求めて仕立てられている。

クラブスポーツの場合、300psの4気筒ターボに加えて、車高が低くなる専用のスプリングも組まれる。フロントタイヤはネガティブキャンバーが強められ、アーム類を変更しジオメトリーも調整。リアタイヤ側には、より操縦の自由度が高い設定が与えられる。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツ45(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI クラブスポーツ45(英国仕様)

積極的に機能するeデフの設定と、ゴルフR用のブレーキも組まれる。クラブスポーツのレシピは、とても魅力的な内容だ。

チタンエグゾーストを除けば、45は通常のクラブスポーツとメカニズム的に同じ。残念なことといえばMTが選べないこと。それでも7速デュアルクラッチATは効果的。ゆったり運転している時も、レッドライン間際まで引っ張りたい時も、よく働いてくれる。

DCCと呼ばれるアダプティブダンパーやリアカメラ、ディスカバー・ナビゲーション・プロは標準装備ではない。この3点のオプションを追加すると、英国価格は4万2500ポンド(654万円)に膨らんでしまう。

走りの印象も、基本的に通常のクラブスポーツに準じる。リミッター解除で、最高速度は249km/hから267km/hへ高められている。だが、19インチホイールを履いているかどうか程度の違いだ。

ドライビングポジションは、ホンダシビック・タイプRほどではないにしろ、好印象。シートに腰掛けると、姿勢はややアップライト気味になる。シート自体は、動的性能を考えれば、もう少しサポート性が高くても良いだろう。

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