【上質に感じる秘密】ジープ・コンパス改良型 デザイナーが語る、内装のエッセンス 新旧比較

公開 : 2021.07.13 17:25

出荷が本格化しているジープ・コンパスのマイナーチェンジ車。改良の大きなトピックがインテリアの一新です。デザイナーの話とともに分析してみましょう。

中型SUV コンパスがマイチェン

text:Ohto Yasuhiro(大音安弘)

近年、日本でも盛り上がりを見せるSUVブームだが、その中で存在感を強めているブランドの1つが米国のSUV専門ブランド「ジープ」だ。

ジープといえば、本格クロカン「ラングラー」のイメージが強いが、オールラウンダーとして注目を集めているのが、ミドルサイズSUV「コンパス」。

改良新型コンパス・ロンジチュード
改良新型コンパス・ロンジチュード    FCAジャパン

FCAジャパンによれば、コンパスは、若い世代のアクティブファミリーに人気があり、購入者の平均年齢は42歳と、同クラスのSUV購買層の平均と比べ9歳も若いという。

そんなジープの中でも、フレッシュかつフレンドリーな存在であるコンパスが、2021年6月にマイナーチェンジを実施。

その改良型の目玉であり、大幅刷新されたインテリアデザインについて、米国ジープのデザインディレクターによるプレゼンテーションが実施された。新コンパスのインテリアの特徴と狙いを中心に紹介しよう。

ジープのミドルサイズSUV「コンパス」は、現行型となる第2世代が、2017年10月にフルモデルチェンジを発表。今回が初のマイナーチェンジとなる。

第2世代は、都会的なモダンさとジープ伝統の堅牢さを融合させたクロスオーバースタイリングが特徴。今回の改良では、持ち味の洗練されたエクステリアは前後マスクのフェイスリストを行っているが、ヘッドライトのフルLED化/テールランプのLED化に加え、車幅感を強調するフロントバンパー内部の水平基調スリットの追加など限定的だ。

その一方でインテリアは、ダッシュボード、ドアトリム、センターコンソールなどを刷新する大幅改良を実施。

従来型のメカニカルかつ質実剛健なイメージを取り払い、洗練された都市型SUVに色合いを強め、ラグジュアリーさも増している。

時代が求める先進安全機能やコネクテッド機能のアップデートを加えながらも、アナウンス上のメカニカルな変更はなく、日本でのグレード構成も全く同様。それだけ今回のマイナーチェンジでは、インテリアの刷新が肝ということなのだ。

開放感を作り出す、ラインの違い

まず新・旧のダッシュボード周りのデザインを見比べて見て欲しい。

従来型は、曲線を多用したボリューム感、そして、メカニカルな操作系を備えており、使い勝手は良さそうだが、かなりオーソドックスかつ古典的だ。

(上)改良新型コンパス・リミテッドの前席内装(下)従来型コンパス・トレイルホーク
(上)改良新型コンパス・リミテッドの前席内装(下)従来型コンパス・トレイルホーク    神村聖

その一方で、新型は、まるで上級SUVのようなモダンさと贅沢さを演出。ダッシュボードは水平基調となり、上級SUVのようなウィングデザインの装飾が加えられ、エアコンルーバーさえデザイン内に取り込まれている。

インフォテイメントディスプレイも、インダッシュからオンダッシュへと変更されている。

このような劇的な変化について、ジープのインテリアチーフデザイナーのクリス・ベンジャミン氏は、「保守的なデザインとしない。そして上質な素材を使うこと。フィードバックとして収納が足りないという声に応えた」というポイントを挙げる。

さらに新技術の導入やスクリーンサイズにも注視したという。

ベンジャミン氏は、新インテリアには、伝統であるジープファミリーのDNAをしっかりと反映しつつ、さらにエキサイティングさや新たな特徴の付加に取り組んだとする。

その上で重視したのが、開放感と広さだった。

実際に、新・旧のインテリアを見比べると、圧倒的に広く感じるのは新型だ。

その秘密は、ボルスターと呼ぶレザー調のダッシュボードが横一直線に陣取るエリアにあるという。この水平基調のラインが、視覚的に幅広さを感じさせるのに効果的に働いているのだ。

さらに金属のウイングアクセントで囲うことで、ボリューム感も強調している。

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