【V8ハイブリッド採用】新型アストン マーティン・ヴァルハラ 市販モデル公開 AMG製パワートレイン
公開 : 2021.07.16 08:45
新型ミドシップ・スーパーカーのヴァルハラが登場。アストン初のPHEVで、価格は1億円前後とされています。
初のプラグイン・ハイブリッド車
アストン マーティンの新型ヴァルハラは、フェラーリSF90ストラダーレのライバルとなるミドエンジン・スーパーカーで、ハイブリッドのV8エンジンを搭載し、コンセプトカーのような外観とF1マシンにインスパイアされたシャシーセットアップを備えている。
同社にとって初のプラグイン・ハイブリッド車であるヴァルハラは、「アストン マーティンの新たな定義を示すもの」とされている。また、このモデルは、新CEOのトビアス・モアースのもとで発表された最初の新型車であり、彼の大胆なブランド変革計画「プロジェクト・ホライズン」に不可欠な要素となっている。
この計画では、アストンは2024年までに「10台以上のクルマ」を発売する予定で、その中にはヴァルハラ、ヴァンキッシュ、そしてV12エンジンを搭載したヴァルキリーなどが含まれている。
ヴァルハラは、2019年にジュネーブ・モーターショーで発表されたRB-003コンセプトカーから2年間かけて製品化されたが、開発に大きな影響を与えたのがアストンの新しいF1チームであり、そこから学んだことがほぼすべての側面に反映されていると言われている。
アストンが61年ぶりに参戦するイギリスGPを前に、シルバーストーンのチーム本部で初公開されたのもうなずける。
注目すべきは、ヴァルハラはコンセプトとは異なり、当初予定されていたアストン製3.0L V6エンジンを搭載していないことだ。DBSスーパーレッジェーラのV12エンジンの725psを上回る出力を目指していたこのエンジンの開発は、モアースが就任した直後に中止された。
その理由は、ユーロ7の環境規制に適合しないことと、「実現するにはあまりにも大きな投資が必要だった」からだとモアースは述べている。
AMG製V8ツインターボ搭載
代わりにヴァルハラは、技術パートナーのメルセデスAMGの4.0L V8ツインターボを採用し、最高出力750ps、最高回転数7200rpm、新設計の専用8速デュアルクラッチ・トランスミッションで後輪を駆動する。
AMGのGTブラックシリーズと同様に、ヴァルハラのV8はフラットプレーン・クランクを採用しており、「アストン マーティンに搭載された中で最も先進的で、レスポンスに優れ、最高のパフォーマンスを発揮するV8エンジン」と言われている。
また、リアデッキ上部の軽量エグゾーストシステムは、調整可能なフラップを備えており、「本物のアストン マーティンのサウンド」を実現しているという。
ヴァルハラが現在のアストンのスポーツカーと最も大きく異なる点は、ミドマウントされたV8のすぐ後ろのリアアクスルに1基、フロントにもう1基、合計204psの電気モーターを採用したことだ。これにより、合計950psを発揮する。
アストンは、0-100km/h加速を2.5秒、最高速度350km/h、そして重要なニュルブルクリンクのラップタイムで6分30秒を達成できると見込んでいる。
SF90ストラダーレと同様に、ヴァルハラもフロントの電気モーターのみを使用してEVモードで走行できる。電気だけで約130km/hまで加速可能だが、通常の走行では、必要に応じて両アクスルに電気を分配してV8の出力を補う。
また、電子制御式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルを装備し、トラクションと敏捷性を向上させている。