【競合比較】新型トヨタ・アクアとヤリス/ノート/フィット 売れっ子コンパクト
公開 : 2021.07.19 20:05 更新 : 2021.10.13 12:02
2代目となる新型トヨタ・アクア。サイズ/室内空間/パワートレイン/燃費/価格の5項目でライバル比較。
初代は大ヒット 2代目アクアいよいよ誕生
トヨタ「アクア」が2代目に生まれ変わった。
2011年12月に発売した同車はこれまでの10年弱で、グローバルで約187万台を販売。
販売の中心となるのは日本市場だが、初代モデルながら大ヒット作となっている。
アクアの特徴は、ハイブリッド専用のコンパクトカーだということ。
今でこそ日産「ノート」などコンベンショナルなガソリンエンジン仕様がないハイブリッド専用のコンパクトカーも見かけるようになってきたが、10年前にはかなり思い切ったチャレンジだった。
そんなアクアのライバルは、日産「ノート」やホンダ「フィット」などハイブリッドのコンパクトカーだ。
しかし、最大のライバルといえばもしかすると身内の「ヤリス」かもしれない。今回は、新型アクアをそんなライバルたちと比べてみよう。
コンパクトたる所以 サイズを比較
まずボディサイズだ。
全長と全幅そして全高は、新型アクアが4050mm×1695mm×1485mm。
ライバルをみると、
ノート:4045mm×1695mm×1505mm
フィット:3995mm×1695mm×1515mm(e:HEVベーシック)
ヤリス:3940mm×1695mm×1500mm
となっている。
こうして比べてみると、新型アクアはノートとほぼ並んでクラス最長の全長となった。
フィットは約5cm短く、ヤリスはさらに5cmコンパクトである。
いっぽうで全高はもっとも低いのだが、これは前面投影面積を狭くして空気抵抗を減らすため。それが高速領域の燃費向上につながるからだ。
とはいえ、全高は従来モデルに比べると30mm高くなっているのが興味深い。
これは後席空間を広げて居住性を高めるためと思われる。
後席居住性はヤリス以上に 室内空間比較
室内を見てみよう。
新型アクアのポイントはホイールベースが従来よりも50mmものびたこと。これは後席足元空間の拡大に直結している。
ホイールベースの数値は新型アクアが2600mm。対してノートは2580mm、フィットは2530mm、そしてヤリスは2550mmだ。アクアがもっとも長いのである。
従来型のアクアは、空気抵抗を最小限に抑えるパッケージングのために後席居住性は二の次としたパッケージングだった。
その影響で足元に比べて頭上も狭くて、ファミリーカーとしてはあまりおすすめできるモデルではなかった。
しかし新型は、対ヤリスで考えると後席足元スペースは誰でも違いを感じられるレベルで拡大されている。
そのうえ、1190mmの室内高こそアクアとヤリスで同一の数字だが、頭上の絞り込みはアクアのほうが少ないから後席居住性はヤリスよりもアクアのほうが上位。
先代は「ヴィッツ未満」だったが新型は「ヤリス以上」とお互いの関係が逆転しているが注目すべきトピックである。
気になるのは「後席の広さ自慢であるノートやフィットと比べてどうか?」だが、これは現車同士をしっかり比べてからお伝えしたい。
ただ、リアドアウインドウの形状を見ると、アクアは窓の後方の天地高がどんどん狭まっていくので、それが閉塞感につながるのを避けられない。
少なくとも開放感に関してはノートやフィットに分がある。
なお、荷室に関しては、床面の奥行き(新型アクアは656mmでヤリスは569mm)などを比較すると、新型アクアはヤリスよりもひとまわり大きいと考えていい。
トノカバーより上の空間も、アクアのほうが広い(荷室高は新型アクアの824mmに対してヤリスは809mmで天井付近の左右方向の絞り込みも少ない)
居住性や積載性などのユーティリティを見ると、新型アクアのパッケージングは大きく変化している。
ヴィッツ未満だった先代からは一転し、フィットやノートなど「ユーティリティ系」のコンパクトハッチバックに近づいたのだ。
新型は「ファミリーで使うからヤリスではなくアクアを選ぶ」という選択になるだろう。それはこれまでのヴィッツ対先代アクアとは立場が逆である。