【刷新】新型トヨタ・アクア 身内で共食い? 問われる販売力
公開 : 2021.07.20 05:45
トヨタ・アクアがフルモデルチェンジ。燃費は軽々30km/L超え。デザインやサイズは先代を踏襲。気になる点を解説します。
新生アクア 燃費「30km/Lの壁」軽々超える
「やはり燃費の良さで選んだ」
2021年7月19日の正式発売を前に、SNSなどでは新型アクアをトヨタ販売店で予約した人たちのコメントが見られるようになった。
たしかに、蓋を開けてみると、見事な数字が並んでいる。
日本でもすっかり馴染みとなった、国際基準の燃費消費率WLTCモードで、グレードZとGが33.6km/L、グレードXが34.6km/L、そしてグレードBで35.8km/Lと、「30km/Lの壁」を大幅に超えてきた。
先代アクアは、グレードLで29.8km/Lであり、新型は実に約20%もの大幅な燃費改善を実現している。
同じく、Bセグメントの日系コンパクトカーでは、e:HEVを搭載するホンダ・フィットが29.4km/L、またエンジンを発電機として使うeパワー採用の日産ノートがFグレードで29.5km/Lと「30km/Lの壁」にあともう1歩で届いていない状況をみると、あらためてアクアの燃費の良さは際立つ。
むろん、新型アクアの低燃費については、先に登場しているトヨタヤリスの実績を見れば十分に予想はついたことだ。
ヤリス・ハイブリッドもアクアと同じく、エンジン型式M15A-FXEの排気量1.5L直列3気筒を搭載しているからだ。ヤリスはハイブリッドZで35.4km/L、ハイブリッドGで35.8km/L、そしてハイブリッドXが36.0km/Lである。
先代アクアの課題 走りは「カイゼン」?
先行予約した人たちにとって、もう1つ、新型アクアに対する大きな期待は「走りの進化」だろう。
進化というよりは、トヨタっぽく表現すれば「カイゼン」である。
2011年にアクアが市場導入されて以来、筆者(桃田健史)は日本国内はもとより、北米仕様のプリウスcを含めて、様々な機会にアクアを運転してきた。
近年はタイムズカーシェアなどで、アクアを選ぶ機会が多い。
そうしたアクア試乗の際に感じてきたのは、「もう少し走りに厚みが欲しい」という点だ。
走りの雰囲気として無機質なところがあり、また路面からの外力を、シートやステアリングでダイレクトに感じ過ぎる印象もある。
また、エンジン回転数が上がった際、足もとのフロアからの振動も現世代の各車と比べるとやや気になる。
こうした振動や音について、トヨタが示すデータ上では大幅な「カイゼン」がみられる。
まずは、プラットフォームが最新TNGAになったことで、根本的に走行性能が一気に上がることは確実だ。各部の結合構造が最適化され、また超高張力鋼板の適材適所への採用によって、走りが上質化することは当然のことだ。
先代アクアオーナーにとっては、まさに朗報である。
さらには……。