【迷う】新型トヨタ・アクアとヤリス どう選ぶ 似ているが大違い

公開 : 2021.07.19 17:45  更新 : 2021.10.09 23:39

フルモデルチェンジしたアクア。ハイブリッドもあるヤリスとのすみ分けは? 似ているようでしっかり違う2台を解説します。

新生アクア 同門ヤリスとのすみ分けは? 

text:Kenichi Suzuki(鈴木ケンイチ)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

トヨタの新型アクアが登場した。ここで気になるのは昨年2月に日本での発売が開始されたヤリスという存在だ。

両車とも同じTNGA(GA-B)プラットフォームを使っており、サイズはアクアが全長4050×全幅1695×全高1485mm、ヤリスが3940×1695×全高1500mm。

新型トヨタ・アクア
新型トヨタ・アクア    トヨタ

全長は11cmほどアクアが長いけれど、その差はわずかなもの。

ハイブリッド専用のアクアではあるが、ヤリスにだってハイブリッド仕様が用意されている。

その場合のエンジンは、どちらも同じ1.5Lの3気筒。しかも価格もアクアが198~259.8万円、ヤリスのハイブリッドが199.8~249.3万円と似たようなものとなる。

では、新型アクアとヤリスは、いったい何が違っていて、どのようなすみ分けを狙っているのだろうか。

まず、新型アクアのコンセプトは「実用的な環境車を持続可能な形でご提供する」というもの。

「実用的なエコカーを、お求めやすい価格」ということだろう。

一方、ヤリスは「走る楽しさと、WLTCモード36.0km/Lの低燃費、最新の安心/安全技術を備えた、コンパクトカーの域を超える新世代コンパクトカー」だ。

ちょっと長いが、「走る楽しみと、低燃費/安全技術をそなえる」ことを訴えている。

ポイントは、アクアが「実用的」で、ヤリスが「走る楽しみ」という点だろう。

誕生の背景異なる2台 コンセプトも異なる

同じようなコンパクトカーでありながら、アクアとヤリスのコンセプトが異なるのは、2台のバックボーンに理由がある。

ヤリスは世界戦略車であり、トヨタの看板を背負って世界ラリー選手権(WRC)で戦っている。

トヨタGRヤリス(世界戦略車ヤリスの売り「走り」を極めたモデル)
トヨタGRヤリス(世界戦略車ヤリスの売り「走り」を極めたモデル)    トヨタ

また、スポーツモデルとなるGRヤリスも存在する。走りを売るのは当然のことだ。

また、ハイブリッド専用モデルははなく、エンジン車もある。世界戦略車というだけでなく、幅広い間口を備えているのだ。

一方のアクアは、最初からハイブリッド専用車として誕生しており、初代は「世界最高の低燃費」が売りであった。

また東北の工場で生産される日本国内モデルでもある。

アクアのことを「国民車」とみる向きもある。ちなみに先代アクアの販売のうち3割が、ビジネスユース、つまり社用車であったとか。実用性と低燃費が重要というわけだ。

そんな2台の異なるコンセプトを具現化しているのがパッケージングだ。

2台は同じプラットフォームを使うが、ホイールベースの寸法がそれぞれに異なる。

アクアがヤリスよりも50mm長いのだ。その分だけ、アクアはヤリスよりも室内が広くなっており、荷室容量や寸法もアクアの方が広い。

また、今回のフルモデルチェンジにあわせて、トランク開口部を広げるなど、利便性も向上している。

一見すると、クーペのようなスタイルをとるアクアだが、室内が広く、そして実用的なのだ。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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