【約30億円投じる】ルイス・ハミルトン 慈善団体「Ignite」設立 F1の多様性向上目指す

公開 : 2021.07.28 18:05

F1ドライバーのルイス・ハミルトンは、業界の多様性向上を目指す慈善活動をメルセデスと共同で開始します。

若者の教育に焦点

text:Joe Holding(ジョー・ホールディング)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

F1で7度のワールドチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンと彼が所属するメルセデスAMGチームは、モータースポーツ界における多様性と包括性の向上を目的とした慈善活動を開始した。

新たに立ち上げられた慈善団体「Ignite」は、モータースポーツ界で黒人が十分に活躍できていない理由を調査したハミルトン委員会の提言に基づいて活動する。

ルイス・ハミルトン
ルイス・ハミルトン

ハミルトンとメルセデスから提供された数百万ドルの資金をもとに、IgniteはSTEM科目(科学、技術、工学、数学)の教育に焦点を当て、「より多様な教育者」の育成と、「STEMやモータースポーツの分野でキャリアを積みたいと考えているが、その手段を持たない才能と意欲のある学生に経済的支援を行う」としている。

Igniteは、ハミルトンが新設した個人財団「Mission 44」とも密接に連携していく。この財団には、ハミルトンが2000万ポンド(約30億円)の私財を拠出したと言われている。

多様な人材確保を

ハミルトンは次のように語っている。

「メルセデスは、モータースポーツ業界におけるダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包括性)を向上させるというわたしの願望を長い間サポートしてくれました。Igniteを通じて、この実現に向けて正式に協力できることをとても嬉しく思います」

メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフ
メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフ

「多様な人材を確保することは、成功につながるだけでなく、どの業界にとっても道徳的に正しいアプローチです」

「ハミルトン委員会の調査結果は、わたし達が活動を開始するための素晴らしい基盤となりました。Igniteは、モータースポーツ界に目に見える変化をもたらすと確信しています」

「15年間、わたしはF1の中で数少ない黒人の1人でしたが、メルセデスとの活動がそれを良い方向に変えていくことを誇りに思っています」

メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフは、次のように述べている。

「今日、ようやくIgniteの計画についてお話しできることを嬉しく思います。年初にルイスと共同でプロジェクトの立ち上げを発表して以来、水面下で多くの作業と議論が行われ、わたし達の目的と使命を洗練させてきました」

「モータースポーツを開放し、より多様で包括的なチームになることは、当チームの価値観の基本です。また、メルセデス・ベンツの全面的な支援のもと、社会にポジティブな影響を与え、将来の世代がこの素晴らしいスポーツに親しみ、楽しむことができるようなプラットフォームの構築に取り組んでいます」

「Igniteは、当チームの『Accelerate 25』計画を補完するものであり、これらのプラットフォームを通じて、社会的に受け入れられていないグループからより多くの人材が当チームに加わり、モータースポーツ業界でキャリアを積んでいくことを期待しています」

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