【なぜ?】待望の日産ノート・オーラ 販売店の「悩みのタネ」と化したワケ
公開 : 2021.08.04 05:45 更新 : 2021.10.13 12:12
質の高さが評判のノート・オーラ。一方で、実車の配備がすすまず、販売店には悩みのタネになっているようです。
前評判の高いノート・オーラ
日産としては久々の大ヒット車種となった先代ノートeパワー。
リーフなどで培った電動化技術を用いたモーター駆動を、発電用のエンジンを搭載することで充電不要で楽しめるという点が市場に受けた格好となった。
そんなノートは昨年12月に新型へとフルモデルチェンジを果たし、eパワー専用車となったことで、同クラスのライバルとは明確に異なるキャラクターをアピールしている。
その新型ノートをベースとした上級車種として、「ノート・オーラ」が今年の6月に発表。
このモデルはノートをベースとしながらも、専用の3ナンバーボディを採用。搭載されるエンジンやモーターはノートと共通ながら、モーター出力が向上しており、ノートとは異なるプレミアムモデルとして差別化が図られた。
インテリアも標準にツイード調織物と合皮のコンビシートを設定し、オプションとして2色の本革シートが用意された。
またメーターも一部のみが液晶だったノートとは異なり、12.3インチの大型カラーディスプレイを用いるなど、プレミアムコンパクトカーの名に恥じないスペックとなっている。
すでにメディア向けにはプロトタイプによる試乗会もおこなわれており、多くのメディアがその質感の高い走りやクルマの仕上がりに太鼓判を押しているのを目にした人も多いことだろう。
販売店 大歓迎かと思いきや
そこまでメディアが絶賛している車両であれば、日産販売店もさぞかし喜んでいるかと思いきや、実は現場はそこまで楽観的ではないらしい。
とある日産販売店スタッフによると、「オーラは本来であれば、新型ノートの登場後まもなく発表される予定でした。しかし、半導体不足などの影響もあり、発表が6月までずれ込んでしまったのです。そのため、ノートを検討していたお客さまにオーラをご案内することが難しくなってしまったのです」とのこと。
実際のところ、ノート・オーラの発表は6月におこなわれているが、発売は「秋ごろ」とだけアナウンスされており、現段階では正式な発売日も決まっていない。
そうなると、車検間近で買い替えを検討しているユーザーにとっては選択肢から外れてしまうのだ。
「一部の販売店には展示車や試乗車が配備されていますが、半導体不足の影響もあって全店舗への配備はまだまだなされていません」
「実際に触れていただければ、その品質の高さはすぐにご理解いただけると思うのですが、カタログのみのご案内ですと、どうしても『ノートの上級グレード』というイメージから抜け出すのが難しいのが悩みどころです」
多くのメディアが高評価を与えているように、ノート・オーラの完成度は高い位置にある。
しかし、写真やカタログだけではその良さを分かってもらうのがなかなか難しいというのが本音のようだ。
メーカーもそのことは承知しているようで、カタログやサイト、そして販売店のスタッフにも「ノート・オーラではなく『オーラ』と表記する」ように指示されているとのことである。