【欧州市場参入に弾み】リビアン 欧州に新工場建設か 勢いのあるEVスタートアップ

公開 : 2021.08.03 18:05

米リビアンが欧州にEV工場の建設を検討中であると報じられています。実現すれば市場参入に弾みがつきます。

ブリストルにEV工場建設?

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

米国のEVスタートアップ企業であるリビアンが、英国のブリストル近郊に自動車工場を建設するために英国政府と協議中であるという。英国メディアのSky Newsが報じた。

Sky Newsは、協議はまだ「進んだ段階ではない」としながらも、業界関係者の話として、リビアンが英国に工場を建設することで、国内経済に10億ポンド(約1500億円)以上の価値をもたらす可能性が高いと伝えている。

リビアンR1S
リビアンR1S

「秘密の交渉」と表現されたこの協議については、リビアンとドイツおよびオランダとの間でも同様の話し合いが行われていると言われている。

報道によると、英国の工場ではバッテリーではなく自動車を製造する可能性が高いとのことだが、バッテリーの「ギガファクトリー」の建設も検討されているという。

ボリス・ジョンソン首相はこの計画について説明を受け、「強い関心」を持っているとも報じられている。

期待膨らむスタートアップ企業

リビアンのラインナップは、構造を共有するピックアップトラック「R1T」とSUV「R1S」の2車種で構成されている。スケートボード型のプラットフォームを採用し、最大航続距離は640km以上、0-97km/h加速はわずか3.0秒、そして優れたオフロード性能を発揮すると言われている。

米国では約740万円相当の価格で販売される予定だが、欧州での生産体制が確保できれば、多くの国と地域で価格帯が維持されるものと期待される。

リビアンR1T
リビアンR1T

先週、リビアンは新たに25億ドル(約2740億円)の資金を調達したと発表。投資総額が105億ドル(1兆1500億円)に達したという。

同社のスケートボード・プラットフォームを次期EVに採用するフォードや、10万台の電動配送バンを発注したアマゾンなどが著名な支援者として挙げられる。

英国では、日産がサンダーランド工場を大幅にアップグレードし、バッテリー専用施設と次期電動クロスオーバーの生産ラインを新設すると発表したばかりだ。

また、ステランティスは、エルズミアポートの工場で新たにシトロエンプジョーヴォグゾールの小型電動バンを生産すると発表。製造業がにわかに活気づいている。

もし、ブリストルがリビアン工場の建設地として選ばれた場合、7月末に閉鎖されたスウィンドンの旧ホンダ工場から約65kmしか離れていない。

最終決定は今後数か月のうちに下される予定だが、現時点ではリビアンからの正式なコメントは得られていない。

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