【またも盗難発覚】日本の人気旧車、盗難急増 窃盗団は必ず下見 何を確認する?

公開 : 2021.08.05 20:25  更新 : 2023.03.31 09:35

「クルマ、パクルな!」動画拡散が記憶に新しいですが、今朝またも盗難被害者が。窃盗団の習性を探ります。

「クルマがない!」 8月5日午前2時

text:Kumiko Kato(加藤久美子)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

宇都宮市清原台周辺に住むAさんは本日未明(8月5日午前2時頃)、ふだん置いているアパートの駐車場に愛車のFDがないことに気がついた。

盗難された「宇都宮 334 や ・777」のナンバーをつけた車両は黄色いマツダRX-7(FD3S)タイプRバサーストR(2001年8月発売500台限定の特別仕様車)だ。8月4日昼~夜間に盗難されたと考えられる。

盗難されたAさんのマツダRX-7(FD3S)タイプRバサーストR。
盗難されたAさんのマツダRX-7(FD3S)タイプRバサーストR。    @FD3S_kiti

なお、AさんはマツダRX-7(の盗難が増えている事や住んでいるエリアで盗難が多発していることを知っていた。

今年3月頃にはハンドルロックを装備し、7月上旬に「クルマ、パクルな!」動画が拡散されたマツダRX-7盗難(翌日に発見)以降、さらに防犯強化すべくタイヤロックを追加。クルマから降りるたびにバッテリーを外すなどセキュリティ対策をしていたという。

それなのになぜ、盗まれてしまったのか?

「毎晩のルーティンとして寝る前に部屋から駐車場のクルマを確認してから休んでいました」

「しかし、8月3日はたまたま外出先から夜遅く戻って来て疲れていたのもあり、バッテリーを外したりタイヤロックしたりなどの毎度の防犯対策をせずに寝てしまいました」

「夜、眠る前にやっていたクルマの確認もしていませんでした。翌日も在宅勤務で家にいて防犯対策のことは頭にあって、やらないとなーと思っていたのですが……」

たった1日 そのスキを狙われた?

そして本日未明。そろそろ休もうかと思って、部屋のベッドの上から毎度のクルマ確認をしたところ……停めたはずの駐車場に黄色いFDの姿がないことに気づいた。

「クルマがないことに気づいてすぐに盗難されたんだと思いました。すぐに警察に電話しましたが自分の住所も忘れるくらい気が動転してました(苦笑)」

「警察はすぐに来てくれて優しく色々と励ましてくれました。そのあと、税関の密輸ダイヤル(0120-461-961)などにも電話して、ツイッターで盗難報告をして拡散をお願いしました」

なんと恐ろしいことに、毎晩、クルマを降りるたびにやっていた防犯対策をたった1日だけやらなかったそのタイミングで盗まれてしまったのである。

これはいったいどういうことなのか?

実はこのようなケースは筆者が取材した中でも何件が似たような事例がある。

・ふだんはセキュリティ対策万全の駐車場に置いていたがその日に限ってすぐ前のコインパーキングに停めていた。

・セキュリティアラームを入れ換えるために1日だけアラームがない状態となった。その日に盗まれた。

・ハンドルロック、タイヤロックは切断されてGPSも無効化されていた。

など。

窃盗団は想像するよりずっとこまめに狙った獲物の状態を確認しているようだ。防犯対策の一瞬のスキを狙っていると言っていいだろう。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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