【スポーツ・モードに感じる魅力】フォルクスワーゲンID.5 GTX 試作車へ試乗 生産は2022年
公開 : 2021.08.19 08:25 更新 : 2021.09.06 04:48
クーペ風ルーフが与えられたID.4となる、ID.5が来年欧州でリリースされます。ホットなGTXのテスト車両へ、英国編集部は一足早く試乗しました。
もくじ
ーアウディQ4 eトロン・スポーツバックの姉妹
ースポーツ・モードの走りに魅力
ー強みといえる正確な操縦性と懐の深さ
ー見た目と実用性でわかれるID.4とID.5
ーフォルクワーゲンID.5 GTX プロトタイプのスペック
アウディQ4 eトロン・スポーツバックの姉妹
フォルクスワーゲンの純EV攻勢は勢いを増している。先日試乗したID.4の高性能版、GTXの後を追うように、ID.5のリリースが控えている。
SUVクーペとなるID.5は、アウディQ4 eトロン・スポーツバックの姉妹モデル。2022年前半からフォルクスワーゲンの純EV専用工場がある、ドイツ・ツヴィッカウで生産がスタートする予定で、開発は大詰め段階にある。
フォルクスワーゲンの独立した純EVモデルとして3番目となるID.5は、当初ID.4クーペと呼ばれる予定だった。だが、ID.4より存在感の強い見た目の獲得が目指され、最終的に別の番号が振られることになったらしい。
しかし、ID.4とID.5の見た目の近さは否定できない。試乗車は軽く偽装された状態だったが、フロントまわりには明らかな共通性を感じた。バンパーは専用デザインが与えられているものの、Bピラーより前の部分はそっくりだ。
ID.5の見た目で特徴的といえるのが、大きく湾曲したルーフと、リフトバックスタイルのテールゲート。リアガラスの下端にはスポイラーが立ち、ID.4より華やかに見える。
ホイールサイズは標準で19インチ。オプションで20インチと21インチも選べるそうだ。
純EVのシステムは、基本的にID.4と共通。170psか203psの出力を発揮するシングルモーターの後輪駆動と、合計299psを発揮するツインモーターの四輪駆動、GTXが用意される。今回試乗させていただいたのは、GTXのプロトタイプだ。
スポーツ・モードの走りに魅力
バッテリーは、3グレード共通で77kWhの容量を持つリチウムイオン。ID.4では52kWhのバッテリーも選べたが、ID.5には用意されない。エントリーグレードのID.5の航続距離は、WLTP値で497kmがうたわれる。
充電能力は、ACで最大11kWまで許容する。フォルクスワーゲンは公式に認めていないが、ソフトウェアのアップデートに伴い、DCでは最大150kWまで許容可能になるようだ。最短30分で、80%の電気を蓄えられることになる。
ID.5 GTXのプロトタイプを運転した印象は、余裕あるパワーのおかげで、ドライブモードをスポーツにした時の走りに魅力を感じた。出だしから力強く、高速道路の速度域まで活発な加速を引き出せる。
ツインモーターは、フロントが非同期、リアが同期タイプで、合計48.0kg-mの最大トルクを発揮する。トルクベクタリング機能を備える四輪駆動システムが組み合わさり、トラクションも強力だ。
さらに速度を高めようとすると、転がり抵抗と空気抵抗が増大し、加速が鈍り始める。アクセルレスポンス自体にも、陰りが出てくる。
太いトルクのおかげで走りは粘り強く、駆動系からのノイズは車内にはほぼ届かない。長距離をリラックスして移動できる、クルーザーとしての資質は高い。前後モーターの制御も非常に優秀。驚くほどスムーズに、タイヤへパワーが伝えられる。
ID.5 GTXの動的性能の数字は、まだ明らかになっていない。ID.4 GTXの0-100km/h加速6.2秒、最高速度180km/hは、兄弟モデルとして達成できると考えられる。