【売れ行き倍増】三菱エクリプス・クロス 地味に最近「売れている」背景

公開 : 2021.08.19 05:45  更新 : 2021.10.22 10:07

三菱エクリプス・クロスが最近売れているといいます。地味な存在ながらも意外に勢いのあるクルマです。

地味な存在 でも意外と勢いあり?

text:Yoichiro Watanabe(渡辺陽一郎)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

今はSUVが人気のカテゴリーになり、新型車の投入も活発だ。

ヤリス・クロス、ヴェゼル、ハリアーなどが人気を高めた。

三菱エクリプス・クロスPHEV
三菱エクリプス・クロスPHEV    三菱

今後はレクサスNX、アウトランダーエクストレイルなどがフルモデルチェンジを受ける。

これらの新型車の中で、エクリプス・クロスは地味な存在だが、売れ行きを着実に伸ばしている。

直近の2021年7月の登録台数は656台と少ないが、対前年比は223.9%だ。売れ行きが前年の2倍以上に増えた。

エクリプス・クロスの売れ行きが伸び始めたのは2020年12月で、この時は2151台を登録して前年の7倍近くに達した。

2021年1月以降も、対前年比は150-400%で推移している。

分母が少ないから、前年の4倍売れても登録台数自体は1000台以下だが、比率は大きい。エクリプス・クロスに一体何が起きたのか。

マイチェンとPHEVが追い風に?

エクリプス・クロスの売れ行きが急増した直接の理由は、2020年12月に、比較的規模の大きなマイナーチェンジを実施したことだ。

フロントマスクを今の三菱車に共通するダイナミックシールドのデザインにあらため、エクリプス・クロスがもともと備えていたスポーティ感覚を際立たせている。

三菱エクリプス・クロスPHEV
三菱エクリプス・クロスPHEV

さらにクリーンディーゼルターボを廃止する一方で、PHEV(充電可能なハイブリッドシステム)を用意した。

ちなみにエクリプス・クロスの発売は2018年で、この時には直列4気筒1.5Lガソリンターボエンジンのみを搭載したが、2019年にクリーンディーゼルターボを追加した。

2020年にはこれを廃止してPHEVを設定したので、目まぐるしいモデルチェンジであった。

根強い「三菱SUVファン」が支える

それにしてもマイナーチェンジを実施するだけで、エクリプス・クロスの売れ行きが最大で前年の7倍に達するのか。

販売店に尋ねると以下のように返答された。

三菱の販売店(写真は神奈川県川崎市の新百合ヶ丘店。なお、取材をおこなった店舗とは異なります。)
三菱の販売店(写真は神奈川県川崎市の新百合ヶ丘店。なお、取材をおこなった店舗とは異なります。)    東日本三菱自動車販売

「エクリプス・クロスは大量に売られる車種ではないが、根強いファンのお客さまがおられる。2018年に購入され、2021年にPHEVに乗り替える場合もある」

「また設計の古くなったアウトランダーPHEVから、エクリプス・クロスPHEVへの乗り替えも生じている。三菱のSUVには、プラグインハイブリッドやスポーティな走りなど、ほかのメーカーとは違う個性があり、お客さまが定着している」

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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