【罪に問われることも】「仮ナンバー」海外で大人気 模造品の製造/使用 罰金100万円
公開 : 2021.08.21 05:45 更新 : 2022.03.25 18:49
いま海外でクルマの「仮ナンバー」が人気です。日本人としては疑問? 理由が。模造品の流通も問題です。
海外人気の高い「仮ナンバー」とは?
通称、「仮ナンバー」と言われるナンバープレートは海外では「JDMプレート」と呼ばれ年々、人気が高まっている。海外の日本車旧車オーナーからは、装飾用として人気が高い。
日本人からしてみれば、「仮ナンバーカッコイイ!」など思う人はほとんどいないだろうけれど。
ところでこの「仮ナンバー」には2種類あることをご存知だろうか? いずれも地名が入っているが、斜め線が入っているタイプと赤枠で囲まれたタイプがある。
「登録されていない自動車や車検が切れた自動車などを一時的に運行させる」という用途はほぼ同じだが実はこの2つには明確な違いがある。
斜線タイプ:臨時運行許可番号標
個人でも取得が可能で市役所や区役所などで取得する。
運行する経路や目的地によって3日、4日、5日と使用できる日数が決まっている。
自賠責保険の証書(原本)や車台番号が分かる書類(コピー可)など必要書類を用意してその場で受け取る。
1回の使用料は750円(横浜市の場合)
赤枠タイプ:回送運行許可番号標
「ディーラーププレート」や「赤枠」とも言われる。
業務に必要な車両の回送(最長5年間有効)が可能で各地の運輸支局が窓口。
取得できるのは自動車の製造/販売/陸送/分解整備を業とする業者に限られている。
経路などの指定はなく、業務の為にクルマを動かすのであれば使用できる。
この仮ナンバー。特に海外で人気があるのは、赤枠ではなく斜線の方である。なぜか?
なぜ海外で日本の「仮ナンバー」が人気?
実際、海外のフリマサイトなど見ても、模造品含めて販売されているのは斜線の方が圧倒的に多い。
東南アジア在住の出品者に人気の理由を聞いてみたところ、このような回答だった。
「あのナンバーがあれば、日本ではどんなクルマでもどんな場所でも走れると聞いた。まさに最強のナンバー」
「赤いストライプがカッコいい。白と赤で日本国旗のイメージがある」
「JDMにピッタリ! あんなナンバー他の国にはないでしょう? 日本独自でホントにCOOL!!」
2019年の米国SEMAショウ「バトル・オブ・ザ・ビルダーズ」というコンテストで決勝に残ったBMW M3には品川ナンバーの仮ナンバー(もちろん模造)が付けられていた。もはや日本車等関係なく「仮ナンバー=カッコいい」という認識なのだろう。
ちなみに、「どんなクルマでもどんな場所でも走れる」とは合っている部分もあるが斜線ナンバーの場合は、「道路運送車両法」に定められた運行目的に限って許可することができる。
1目的1貸与となる。
・新規登録や継続検査等のため運輸局へ運行する場合
・販売を業とするものが販売の目的で回送する場合
・盗難にあったナンバープレートの再交付を受けるため運輸局に運行する場合 など
なお、クルマ系のイベントなどで明らかな違法改造車が仮ナンバーをつけて参加しているケースもあるがこれは目的外の利用となる。
道路運送車両法第107条違反となれば、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金、またはこれが併科される。
保安基準に適合した車両であっても抹消登録(廃車の手続き)後に保管してあるクルマを、必要な時だけ走らせるための使用も同様にNG。
オーナー系ミーティングの中には仮ナンバーを付けたクルマの来場を禁止しているところもある。
海外で仮ナンバーが人気! といっても、外国に住んでいる人が日本の仮ナンバーを入手するのは非常に困難。
入手経路を探った。