【ボディの水ぶくれに注意】ロータス・エリーゼS2 価格上昇は必至 英国版中古車ガイド
公開 : 2021.08.30 08:25 更新 : 2021.08.30 15:21
状態の良いエリーゼほど、見事なドライバーズカーは多くありません。最も価格価値が高いと英国編集部が評価する、フェイズ2の中古車を詳しく見てみましょう。
もくじ
ーS1より日常的に付き合いやすいS2
ーローバーとトヨタ社製の4気筒エンジン
ーS2の価格は今後上昇する可能性大
ー専門家の意見を聞いてみる
ー購入時に気をつけたいポイント
ー英国ではいくら払うべき?
ー知っておくべきこと
ー英国で掘り出し物を発見
S1より日常的に付き合いやすいS2
現在のロータスは2025年に向けて、アルピーヌと手を組んで新しい電動2シーター・スポーツの開発を進めているようだ。ロータスの次章が始まるわけだが、1996年に販売がスタートしたエリーゼに対する関心度は、今も高いままにある。
ロータスの運命を変えるほどヒットした、エリーゼS1。だが数年後、欧州の衝突安全規定へ対応するため、アップデートを迫られる。多額の資金が必要となったロータスは、アメリカのビッグ3、ゼネラル・モータース(GM)へ接近した。
GMはオペル・ブランドからスピードスター、英国ではヴォグゾールVX220を名乗る、独自のスポーツモデルの販売を条件に協力を承諾。改良が加えられたエリーゼを仕上げ、ロータスはS2と名付けた。
エリーゼS2の生産は2000年から2010年まで。以降はS3へと進化するが、基本的にはフェイスリフトを受けたS2といって良い。
純粋主義を貫くドライバーには、S1こそオリジナルで、ベストのエリーゼだと主張する人もいる。しかしS2は、しなやかなビルシュタイン社製サスペンションに大径ホイール、簡単なルーフシステムと低いサイドシルを獲得し、より日常的に付き合いやすい。
シャシーはS1の改良版だが、スタイリングは一新されていた。ただし、ボディは射出成形のグラスファイバー・コンポジットでできており、残念ながら水分を吸収しやすい。
ローバーとトヨタ社製の4気筒エンジン
ロータス・エリーゼS2に搭載されたエンジンは、当初はS1の進化版といえる、ローバー社製のKシリーズ・ユニット。1.8L自然吸気から最高出力121psを発生し、0-100km/h加速を5.6秒でこなした。
2002年に111Sが登場。エンジンブロックは同じながら可変バルブタイミング機構が載り、最高出力は162psへ引き上げられた。111Sにはクロスレシオの5速MTが組み合わされている。
またサーキット走行へ打ち込みたいドライバー向けに、スポーツ135と、さらにハードコアな135Rも登場している。探す価値はあるだろう。
2004年、エリーゼRの登場に合わせてトヨタ社製の1.8L VVTL-iエンジンが登用される。最高出力は192psに届き、0-100km/h加速時間を4.9秒へ縮めた。6速MTに加え、新しいパワーアシスト・ブレーキも獲得している。
2年後の2006年、すべてのエリーゼS2からKシリーズ・ユニットが退役。エントリーグレードのエリーゼSにも1.8Lのトヨタ・ユニットが積まれ、最高出力136psを発揮した。
ほかにもプロバックス・ブランドのシートに、LEDテールライト、ヨコハマAD07タイヤなど、細かな変更も加えられている。スーパーチャージャーの載ったS2、エリーゼSCは2008年に登場。222psを獲得している。
111Rと交代するカタチで、192psのエリーゼRも投入。S3へバトンタッチするまで、S2のラインナップを構成した。