【カタチに惚れ、変化に納得】VWアルテオン・シューティングブレークTSI 4モーション・エレガンス試乗
公開 : 2021.09.05 11:55 更新 : 2021.10.13 15:16
マイナーチェンジを遂げ進化したVWアルテオン・シューティングブレークTSI 4モーション・エレガンスに試乗しました。
リアエンド 名前の割にコンサバ
アルテオンが発表されたのは2017年の春。5ドアハッチのボディを与えられたセダン、いわゆる4ドアクーペである。
ドイツのライバルではAMG GT 4ドアクーペやCLA、BMWの2、4、8シリーズのグランクーペ、ポルシェ・パナメーラ、アウディA5やA7のスポーツバックあたり。
今どきの売れセンに、少し遅れて参入してきた印象があった。
セダンに対してワゴンがあるように、4ドアクーペに対してシューティングブレークが用意されることは珍しくない。
今年7月、アルテオンのマイナーチェンジにあわせて本邦デビューしたシューティングブレークは必然ともいえる1台だったわけだ。
アルテオンの長所はなんといってもスタイリッシュな内外装の見た目にある。
水平基調のダイナミックなグリルが主張するフロントマスクもこれまでのVWにないスペシャリティ感がある。
そのシューティングブレーク版に期待していたのだが、初めて見た実車のリアエンドのスタイリングはわりとコンサバに思えた。
メルセデスがCLAのシューティングブレークで見せたような思い切りの良さ、華のようなものは感じられない。
じゃあボディ形状が変わって積載量が大きく変わったのかといえば、5ドアの563Lに対し565Lで見た目と違って大差なし。
リアハッチを開けた際の使い勝手は少しだけシューティングブレークの方がいいと思えたが……。
マイチェン効果 乗り心地が向上
5ドアハッチのアルテオンと、そのシューティングブレークに用意されるパワートレインはTSI 4モーションの1択。
つまりガソリンの2L直4ターボ+AWDということになる。
パッケージの違いによりRラインとRラインアドバンス、エレガンスという3つのグレードがあり、今回の試乗車はエレガンスだった。
マイナーチェンジ後の進化はすぐにわかった。
デビュー当初は、プラットフォームを拡大したモデルにありがちなアシのバタつきがあった。
そう、アルテオンの骨格はおなじみのMQBであり、その車幅はMQB使用モデルの中では最大級といっていい。
だからだろうか、可変ダンパーのDCC(ダイナミック・シャシー・コントロール)が標準装備されていても、バネ下のバタつきをフロアが拾って共振するような場面があった。
DCCはセミアクティブの、いわゆる「考えるアシ」なので、デビュー当初は少し煮詰めが甘かったのかもしれない。
ともあれ今回マイナーチェンジ後として導入されるシューティングブレークは、以前の5ドアハッチのアルテオンで気になったアシのバタつきが払拭されていたのである。
走りのネガがなくなると、2トーンの本革シートとか、恐ろしくプレミアム感が高いインパネといった見た目の部分も説得力が増してくる。
しかも今回は週末の想像が膨らむシューティングブレークである。
はじめてアルテオンというクルマに食指が動いた。