【Eクラスと同等の電動セダン】新型メルセデス・ベンツEQE 世界初公開 空力と静粛性に焦点
公開 : 2021.09.06 04:18 更新 : 2021.09.06 04:25
メルセデスの新たな電動モデル、「EQE」が発表されました。2022年に発売予定のミドルサイズセダンです。
EQSに続く高級電動セダン
メルセデス・ベンツは、ミュンヘン・モーターショーで完全電動化に向けたいくつもの発表を行っているが、その中で最も重要なモデルが新型「EQE」だ。
このモデルは、フラッグシップのEQSに続く、ベンツのEVA2プラットフォームを採用した2番目のモデルであり、テスラ・モデル3、BMW i4、ポールスター2などに対抗するEVとして、2022年半ばに欧州で発売される予定だ。
新型EQEの価格は発売間近に決定されるが、EクラスとEQSのほぼ中間となる6万ポンド(約910万円)前後からになると見られている。
空力特性を最適化したボディ
ブラックのフロントパネルや、「ワン・ボウ」と呼ばれる室内重視のシルエット、ショートオーバーハングなど、EQSとの共通点が数多く見て取れる。
また、ボディパネルの継ぎ目やボディラインを最小限に抑えることで「官能的な純粋さ」を実現。リアエンドの形状や、19~21インチの幅広いサイズのホイールによって、EQEの「アスレチックなキャラクター」を表現しているという。
EQSと同様に空力性能を考慮して設計されており、滑らかなアンダーボディ、パネルの継ぎ目の低減、クローズドグリルの採用により、「非常に良い」Cd値を実現したとされている。
前後にマルチリンク式のスチール製サスペンションが標準装備されているため、EQSには及ばないが、空力の最適化は「特に集中的に行われた」とのこと。19インチと20インチの「エアロホイール」を特別に開発し、表面をほぼ完全に閉じたセットも用意している。
メルセデスのモデルとして初めて100%リサイクルスチールを使用している点も特徴だ。
全長は、EQSよりも270mm短い4946mm、ホイールベースはEクラスよりも80mm長い3120mmとなっている。CLSと同程度のサイズであり、トランクリッドはハッチ型となっている。
EVならではのインテリア
EQEは、従来のEクラスとの差別化を図るため、EQSと同様のインテリアデザインを採用し、幅1410mmの「ハイパースクリーン」をオプションで用意している。ダッシュボードの幅いっぱいに配置されたこの高解像度スクリーンは、車載システムMBUXの主要機能を操作しやすいよう設計されている。
また、助手席には12.3インチの有機ELディスプレイが設置されており、欧州では「ダイナミック・コンテンツ」を表示すると自動的に輝度が下がり、ドライバーの気を散らさないようになっている。
システムの無線アップデートに対応し、燃焼エンジンのサウンドを再現するモードや、若いドライバー向けに特別に開発されたドライビングモード、ビデオゲーム、ヘッドライトなど、発売後もさまざまな機能を強化することが可能だ。
また、フラットフロアのEQEにはトランスミッション・トンネルがなく、代わりにフローティングタイプのセンターコンソールが採用されている。ドアパネルにも同様のコンソールが備わり、シートやドアの操作を行うことができる。
メルセデスは、EQEの静粛性について、「このクラスで最も優れた車両の1つ」と主張している。風切り音や駆動音を低減するために、さまざまな空洞を発泡コーティングで満たしているほか、ドアハンドル、ミラー、窓には特注の高品質シールを使用している。Aピラーの根元には、ノイズを低減し、空気の流れを良くするトリムエレメントがある。