【レトロでお高いEV】新型ルノー「4ever」 高級路線のクロスオーバーに 2025年発売予定
公開 : 2021.09.10 18:05
ルノー4が完全EVとして2025年に復活しますが、初代とは異なり高価格帯のクロスオーバーとなるようです。
初代ルノー4とは異なる路線
2025年の発売を予定しているルノーの新型EV「4ever(フォーエバー)」は、車名の由来となったルノー4のような低価格帯ではなく、高級路線を歩むことが分かった。
初代ルノー4は1961年から1994年まで生産されていたが、新型車はCMF-BEVプラットフォームを採用。構造を共有する新型5より高い価格帯で販売されるという。5は2024年に発売予定で、価格は約1万8500~2万1000ポンド(約280~320万円)程度を目指している。
ルノーのルカ・デ・メオはCEOは今年初め、ルノー4を復活させるという計画をオンラインイベント「ElectroPop」で明らかにした。同イベントでは、ルノーが2030年までに欧州で販売するクルマの最大90%を完全EVにするという計画の詳細も公開された。
5がスポーティーなハッチバックとして構想されているのに対し、4everはコンパクトなクロスオーバーになると思われる。5と同様に、デザイン責任者であるジル・ヴィダルが言うところの「レトロモダン」なスタイリングを採用する見込みだ。
利益をもたらすEVが必要
ルカ・デ・メオCEOは、今週開催されたミュンヘン・モーターショーで、次のように語っている。
「欧州で初めてEVを投入したことで多くのことを学びましたが、それは高価な教訓でした。これらのクルマは、当社に利益をもたらすものでなければなりません」
5と4everには、ルノー・グループが開発中のバッテリーと電気モーターの新技術が採用される予定で、これによりコストを下げることができるという。CMF-BEVプラットフォームにこの技術を搭載することで、5のコストを同サイズのルノー・ゾエと比較して約33%削減できるとしている。
また、高性能車ブランドのアルピーヌが2024年に最初のEVを発売すること、CMF-BEVプラットフォームがルノーブランドの新しい電動商用バンに使用されることも確認されている。
デ・メオはプレゼンテーションの中で、ゾエが2024年にライフサイクルを終えて生産を終了することを明らかにした。現在、直接的な後継モデルは存在しないが、4everと5がその穴を埋めることになるだろう。
バッテリーとモーターの新技術に注力
ルノー・グループは、2030年までに販売台数の最大90%をEVにするという目標を掲げている。目標達成には、メガーヌEテックや日産アリアで採用されているCMF-BEVおよびCMF-EVプラットフォームを使用して、2030年までに約100万台のEVを生産する必要がある。
EVの生産は、フランス北部の3つの工場を含む新しい「ElectriCity」ハブに集中させる。ここでは、メガーヌEテックと並んで4everも生産される予定だ。
また、ルノーはエンビジョンAESC社と提携し、フランスのドゥエにバッテリー工場を建設する。この工場は2024年にオープンし、年間生産量は9GWh、2030年には24GWhまで拡大する予定となっている。
さらに、フランスの新興企業であるベルコール(Verkor)社と協力して、大型車用の新しい高性能バッテリーを開発する。このバッテリーは、10GWhの新工場(2030年には20GWhに拡大する可能性あり)で製造される。
ルノー車に搭載されるバッテリーは、ニッケル、マンガン、コバルト(NMC)といった化合物系を中心に作られる。NMCは、1マイルあたりのコストが最も安く、航続距離も他の化合物に比べて最大20%長いとルノーは主張している。
ルノーは、このバッテリー技術の刷新により、2025年までに1kWhあたり100ドル(約1万1000円)、固体電池の導入を目指す2030年には1kWhあたり80ドル(約88万円)のコストを達成できると考えている。