【3代目だって悪くない】フォルクスワーゲン・ゴルフGTI Mk3 良さを再確認 英国版中古車ガイド
公開 : 2021.09.23 08:25 更新 : 2021.10.15 13:26
歴代のVWゴルフGTIの中で、英国編集部が手頃でオススメだとするのが3代目。中古車との付き合い方を、ご紹介します。
もくじ
ー初代や2代目に比べ、人気の伸びない3代目
ー今振り返れば悪くないホットハッチ
ーオーナーの意見を聞いてみる
ー購入時に気をつけたいポイント
ー英国ではいくら払うべき?
ー知っておくべきこと
ー英国で掘り出し物を発見
初代や2代目に比べ、人気の伸びない3代目
英国の中古車サイトを簡単に調べてみたが、フォルクスワーゲン・ゴルフの初代や2代目GTIには、依然として高値が付いている。中には2万4000ポンド(364万円)という例もあった。
一方で3代目はそうでもない。走行距離5万7900kmで、2.0L 16バルブ・エンジンのGTIに、8995ポンド(136万円)が付いていたのが最高値。日本から輸入された1台だった。英国なら、1500ポンド(23万円)前後という例も多くある。
1992年から1997年に販売されていた3代目の人気の低さは、何が原因なのだろう。ちゃんとGTIだし、30年近く前のクラシックなゴルフだ。引く手あまたの需要を得ても、良さそうに思えるのだが。
実際のところ、3代目ゴルフは極めて高評価な初代と比較され、成功作ではない後継モデルという見られ方をしてきた。増えた車重と不足気味のパワーを、当時のジャーナリストは指摘した。
モデル末期の1996年には、プジョー306 GTi-6という強力なライバルも登場。2.0L 4気筒エンジンを搭載し、最高出力167psを発揮したのに対し、ゴルフGTIは150psに留まっていた。
プジョーなら、クロスレシオの6速MTが選べた。ゴルフは一般的な5速MTだった。フォルクスワーゲンが先代の成功にあぐらをかいていたとも思えない。だが、結果的にライバルへ追い越されてしまった。
当時しのぎを削った306 GTi-6の残存台数は限定的だが、3代目ゴルフGTIなら、英国に沢山の中古車が出回っている。モダンクラシックとして、価格高騰の波にも乗ってはいない。今こそ3代目の魅力を味わう絶好の機会といえる。
今振り返れば悪くないホットハッチ
3代目ゴルフGTIの発売は1992年。初めは2.0Lの8バルブエンジンを積んでいた。最高出力は114psしかなく、0-100km/h加速も冴えない9.6秒だった。
とはいえ、アルミホイールとボディと同色のフロントグリル、ブラックのオーバーフェンダー・モール、リアスポイラー、2本出しのマフラーなどで着飾っている。充分にスポーティだ。
車内にはスポーツシートとチルト調整可能なスポーツ・ステアリングホイール、パワーウインドウを装備。リアシートは分割で倒せ、利便性も高い。ショールームでのアピール力は悪くなかったが、公道へ出ると活気不足に不満が上がった。
そこで、1993年に150psの2.0L 16バルブエンジンを投入。0-100km/h加速は8.0秒へ短縮している。
ボディには16Vという小さなエンブレムが貼られ、ルーフ後端に角のようなアンテナが追加された。トラクション・コントロールと、ブレーキの摩耗インジケーターも備わる。
1996年にはGTIの誕生20周年を記念して、アニバーサリーとカラー・コンセプトという、2種類の限定仕様を欧州向けに提供。1997年に8バルブエンジンが退役し、3代目ゴルフも4代目へ交代している。
今の英国の中古車市場で目立つのは、8バルブのGTI。16バルブの方が優れているし、選びたい3代目ゴルフではある。だが、この年式を考えると、走行距離や状態が選ぶべき基準といえる。
今後の値動きは読めない。手頃な価格のうちに、手を伸ばすのも悪くないと思う。3代目ゴルフGTIも、今振り返れば悪くないホットハッチだったと感じるだろう。