【過剰品質な小型サルーン】メルセデス・ベンツ190クラス 英国版中古車ガイド 価格は上昇中
公開 : 2021.09.27 08:25 更新 : 2021.10.14 16:04
日本では小ベンツとも呼ばれた190クラス。当時らしく堅牢に作られ、今でもその良さを実感できる1台です。英国編集部が中古車との付き合い方をご紹介します。
信頼性高く普段遣いできるクラシック
信頼性が高く普段遣いできるネオ・クラシックをお探しなら、ここに1つの答えがある。今回ご紹介するW201型と呼ばれるメルセデス・ベンツ190クラスは、量販が目指された、極めて優秀なオールドスクール・モデルだ。
1982年から1993年までの11年間に、200万台以上が生産されている。そんな大衆化を目指したモデルを、メルセデス・ベンツは当時6億ポンド以上の費用を投じて開発した。その結果、過剰品質や過剰設計と呼ばれる内容をもたらした。
2021年に190クラスを探している人にとっては、聞こえの良い評判に違いない。そのおかげで、今でも人気は衰えていない。
英国市場を見渡してみると、可動状態で1000ポンド(15万円)位から。走行距離が短く状態が良い190だと、1万5000ポンド(228万円)前後まで釣り上がることも。
妥当な190の場合、英国では5000ポンド(76万円)前後が相場。そこそこの走行距離でMTの190 2.0Eが手に入る。ちなみにEとは、燃料インジェクションを示している。
190クラスには、2.3-16や2.5-16コスワースなど希少なモデルも存在する。この場合は英国でも2万5000ポンド(380万円)以上はしてしまう。こちらは後日ご紹介しよう。
ボディスタイルはサルーンのみ。現代の基準でいっても快適で、滑らかで機敏に走る。ステアリングは軽く反応も正確だ。インジェクションなら、一層その特長が光る。
安全装備にも抜かりはない。エアバックとプリテンショナー付きシートベルトが標準装備。ABSはオプションで選べた。
エンジンのラインナップは多彩
発売当初からガソリンエンジンのラインナップは多彩だった。ベーシックな自然吸気の2.0Lは、控えめな90ps。先述の190 E コスワースには、パワフルな2.3Lや2.5Lの16バルブが載っていた。2.6Lの6気筒エンジンもあり、166psを発揮した。
5気筒2.5Lで90psを生み出す、ディーゼルエンジンも選べた。当時のユニットとしては非常に静かで、メルセデス・ベンツはウイスパー・ディーゼルと誇らしげに名付けている。このエンジンは非常に堅牢で、燃料の質も問わないといわれたほど。
190クラスの主役的ユニットといえば、2.0Lのインジェクション・ガソリン。現在でも一般的な選択肢で、最高出力は122psを発揮した。調子が良ければ0-100km/h加速を10.9秒でこなし、現代でも通用する動力性能を持つといえるだろう。
モデル末期の1990年、2.0Lの自然吸気にかわって1.8Lのインジェクションが登場している。こちらは108psを発揮し、0-100km/h加速時間は12.3秒とうたわれた。
予算次第でパワーウインドウにパワーミラー、サンルーフ、エアコン、アームレスト、ウッドトリムなど、多彩なオプションを装備させることも可能だった。1989年にフェイスリフトを受け、リアシートまわりの空間が広くなり、バンパーが拡大されている。
ただし、メルセデス・ベンツといっても1980年代生まれだから、現代モデルのような快適性は期待しない方が良い。190クラスの魅力は品質の高さと、強い独自性にある。
現在も生き残っている例の多くには、少なくないオプションが載っている。今なら選択肢もまだ少なくない。良い190クラスは、早い者勝ちだ。