【じりじり値上がり】ランボルギーニ「初代カウンタック」 競売の相場に変化

公開 : 2021.09.22 20:45  更新 : 2021.10.11 10:51

初代カウンタックのオークション相場に、値上がりの動きが……。新型となる「LPI 800-4」の登場を機に、変化が起こっているようです。

スーパーカーの王者 一番人気はLP400

執筆:Kazuhide Ueno(上野和秀)
撮影:Mike Maez(GOODING&COMPANY)

米国の格調高い自動車イベントとして知られる「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」において、驚きの発表があった。

スーパーカーの代名詞といえるランボルギーニカウンタックが現代に蘇ったのである。その名はカウンタックLPI 800-4。

(赤)初代カウンタック25thアニバーサリーのアメリカ仕様。(白)新型カウンタックとなる「LPI 800-4」。(緑)1億円台と落札される初代の「LP400ペリスコピオ」。
(赤)初代カウンタック25thアニバーサリーのアメリカ仕様。(白)新型カウンタックとなる「LPI 800-4」。(緑)1億円台と落札される初代の「LP400ペリスコピオ」。    Mike Maez(GOODING&COMPANY)

1971年のジュネーブ・ショーでのプロトタイプ発表から50周年を記念して製作。初代の開発コードネームに倣い、112台が限定生産されるという。

現代版が登場したことにより、その原点であるオリジナル・カウンタックが突如注目されることになったのである。

コレクターズカー・オークションでのカウンタックは、モデルによって評価が大きく変わる。最も評価が高いのが、最初期型で152台のみが作られたLP400ペリスコピオだ。

LP400ペリスコピオは、オリジナル・デザインに最も近く生産台数が少ないため、カウンタック・ファミリーの中ではいち早く注目され、高値で取引されるようになる。

2014年のコレクターズカーバブル・ピーク時には邦貨で1億8655万円という最高値をマーク。そのバブルが収まり値を下げたが、今年2月には約1億円と今も“億車”の座をキープしている。

2000万円台だったアニバーサリー

一方で、カウンタック・ファミリーの中で658台と最も生産台数が多く最終型となる「25thアニバーサリー」は、流通数が多いためそれなりの額で取引されてきた。

しかし、コレクターズカーバブル真っただ中となる2015年のRMサザビーズ・アンドリュー・コレクションでは、アニバーサリーが5412万円まで跳ね上がり愛好家を驚かせる。

今年8月のペブルビーチ・オークションに出品された初代カウンタック25thアニバーサリー(アメリカ仕様)の内装。ワンオーナーで、走行は2644マイル(約4231km)という個体。
今年8月のペブルビーチ・オークションに出品された初代カウンタック25thアニバーサリー(アメリカ仕様)の内装。ワンオーナーで、走行は2644マイル(約4231km)という個体。    Mike Maez(GOODING&COMPANY)

そのバブルが弾けた2017年のRMサザビーズ・スコッツデイル・オークションでは2151万円まで下落。ここを底値に、その後は相場が回復に向かい、近年は2500万円前後で推移していた。

じつは、新型カウンタックが発表された当日の夕方から行われたグッディング&カンパニーによるペブルビーチ・オークションに、カウンタック25thアニバーサリーが出品されている。

この個体は新車でアメリカにデリバリーされ、ワンオーナーで走行は2644マイル(約4231km)。マニュアルから工具、ジャッキまで完璧に揃っていた。

事前に主催者が発表した予想落札額は、低走行でコンディションが良いことから27万5000~35万ドル(3035~3850万円:入札日の為替で算出)と最近の相場より高めだった。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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