【30万円台で】トヨタ、1人用の立ち乗りBEV発売 公道走行は不可
公開 : 2021.10.02 19:45
トヨタが、1人乗り用の3輪BEVを発表。公道走行はできないものの、最高速度は6km/h、または10km/h。操作方法/充電/ADASについて解説します。
C+walk T どこで使える?
トヨタは10月1日、歩行領域での新たなモビリティシリーズ、「C+walk」の立ち乗りタイプ「C+walk T(シーウォークティー)」を発売するとともに、トヨタレンタリース店でも取り扱いを開始したと発表した。
販売価格は34万1000円。
この基本コンセプトは、2017年に開催された東京モーターショーで「トヨタ・コンセプト愛i WALK」として公開されていたものをベースに開発しており、立った姿勢での乗車を想定したラストワンマイルの3輪BEV(バッテリーを動力源とする電気自動車)として誕生した。
C+walk Tのステップ高は150mmと低く、フラットな乗車ステップとも相まって乗降しやすく、操作しやすい設計となっているのが特徴だ。
環境への優しさに加えて、人間1人分のスペースに限りなく近いサイズを実現。
人が歩く速度で移動することで、周囲の歩行者と横並びして会話をしながら走行できる。
最高速度は基本的に6km/hで、ほぼシニアカーと同等。ただ、シニアカーや電動キックボードのように公道を走ることはできない。
あくまで限られたエリア内での走行が原則となる。
トヨタはこの理由を明言していないが、別モードで用意した熟練者モードが10km/hとなっていることが公道を走れない理由なのかもしれない。
操作は、左右のレバーで
一方で、操作系は簡単操作を徹底追求したという。
走行時はハンドル左右にあるアクセルレバーの操作だけで発進から加速、減速、停止までをコントロールできる簡単操作が基本で、レバー押せば前進し、離すと停止する。
その上で、必要に応じて左右両手で操作可能なブレーキレバーを握ると減速をサポート。下部にあるバックボタンを押せば後進も可能となる。
ディスプレイ部では速度やバッテリー残量を一目でチェックでき、バッテリー電源をONしておけば専用キーを認証エリアにかざすだけでシステムが起動する。
駆動は前輪に組み込んだインホイールモーターを採用する。
スムーズな発進・停止を可能とし、最大ハンドル角を90°とした取回しの良さは最小回転半径0.59mの実現につながったという。
走行時の安全性についても考慮されており、障害物の検知に対応した。
ADAS機能/充電について
具体的には、オプションとはなるものの、赤外線センサーによって前方を監視する障害物検知機能を搭載可能としてる。
検知した際には、警告音と共にパネル表示でも警告。同時に車速を約2km/hまで減速して、歩行者との共存を目指した。
なお、走行は乗車した人の操作によって行われ、自動走行する機能は搭載していない。
電源は脱着式リチウムイオンバッテリーを使用し、付属の専用充電器をAC100Vに接続すれば、およそ2.5時間で充電できる。バッテリーの重さは2.3kgにとどまり、自宅内からの持ち出しも容易だ。
満充電での走行可能距離は最大14km。公道を走れるようになれば、少し遠めの買い物や駅までの利用にも役立ちそう。
こうしたモビリティの実現は体力の衰えを感じている人にとっても嬉しい存在になるはずで、そうしたモビリティが自由に走れる世の中が訪れることを願いたい。
それにはまずインフラの整備が前提となるかもしれないが。