【小さくても楽しい】最高のホットハッチ 10選 コンパクトな車体にスポーツカー並の性能

公開 : 2021.10.16 06:05

ハッチバック車にスポーツカー並の走行性能を与えた「ホッチハッチ」は、実用性と楽しさを兼ね備えています。

メーカーも力を入れるホットハッチ

性能、コスト、日常的な使い勝手のバランスを考えると、「ホットハッチ」ほど優れた回答は他にない。

一般的なファミリーハッチバックをパフォーマンスカーに仕立て上げるというアイデアは、今では定番のものとなり、特に欧州のエンスージアストには人気がある。

ホットハッチに明確な定義はないが、比較的手頃にドライビングを楽しめ、日常的な使い勝手にも優れている点で共通している。
ホットハッチに明確な定義はないが、比較的手頃にドライビングを楽しめ、日常的な使い勝手にも優れている点で共通している。

フォルクスワーゲンがこのコンセプトを採用したのは、1976年の初代ゴルフGTIからだが、熱心なファンによれば、ホットハッチバックというニッチな分野はシムカかアウトビアンキのどちらかが先に確立したものだという。

しかし、どちらが先であっても、今やほとんどのメーカーがこうした楽しいクルマをラインナップしている。欧州では、ドイツ製のビッグパワーを持つ高級車から、ヒュンダイの新型車まで、多くの選択肢が用意されている。羨ましい限りである。

今回は、その中からトップ10を選び抜き、1位から順に紹介していく。よだれを垂らしてもいいように、ハンカチのご準備を。

1. トヨタGRヤリス

このランキングの上位に位置するモデルには、ホットハッチの定義を拡大するものも存在するが、いずれにしてもトヨタが生み出した驚異的なGRヤリスは、今回のトップにふさわしい。

他のモデルに比べれば、広さや使い勝手は劣るかもしれないが、実戦でのペースやドライバーの得る喜びにおいては右に出るものはない。

1. トヨタGRヤリス
1. トヨタGRヤリス

GRヤリスは、当初はラリーのホモロゲーションモデルとして計画されていたが、WRCのルール変更を受けてプロジェクトが中断されてしまった。しかし、トヨタはブランドのイメージを変えるために、豊田章男社長のもとエキサイティングなドライバーズカーをさまざまなモデルレンジに導入することを決定した。その1つがこのクルマだ。

最高出力260psの1.6L 3気筒ターボエンジンと4輪駆動システムを搭載して、0-100km/h加速をわずか5.5秒で走破する。また、トヨタ・ガズー・レーシングのWRCチームの意見を取り入れて開発されたシャシーとサスペンションは、どんな天候でも高速走行が可能なように完璧なチューニングが施されている。

コミュニケーションを重視した操作性、確かなコーナリングバランス、そしていつでもどこでもより速く、より楽しく走れる不思議な動的安定性を備えたGRヤリスは、非常に希少で特別なパフォーマンスカーだ。

2. フォード・フォーカスST & STエディション

フォードには過去数十年、販売チャートを賑わせ、記憶に残るような素晴らしいホットハッチがいくつもあった。現行のフォーカスSTは、ランキングトップにわずかに及ばなかったが、それは、実に鋭敏で魅力的なドライバーズカーではないからでも、パワーや装備が不足しているからでもない。

STは従来、ホットハッチの中ではやや下位に位置するが、フォードは現行モデルのメイクアップには手を抜かなかった。フォーカスSTとしては初めてアダプティブ・ダンパーを搭載し、フロントアクスルに電子制御式LSDを採用している。この価格帯のクルマとしてはまだかなり珍しいもので、ハンドリングの魅力向上に貢献している。

2. フォード・フォーカスST & STエディション
2. フォード・フォーカスST & STエディション

さらに特別でハードコアな仕様をお望みの方には、手動調整式コイルオーバー・サスペンションと軽量アルミホイールを装備したSTエディションがある。STのダイナミックなレシピをさらに硬派にして、シャープなボディコントロールとハンドリングを実現している。

フォーカスSTは、ダイレクトで俊敏なハンドリング、しっかりとしたボディコントロール、そして豊かなサウンドとパフォーマンスカーとしてのキャラクターを確かに持っている。平凡な道のりも楽しく走れるように作られているのだ。

しかし、かつてのフォード車のような明快なグリップとパフォーマンスには欠けている。STモデルのバランスとしては、サーキットで大暴れするよりも、日常的なロードパフォーマンスを重視した方がいいのだろう。

このクルマを現時点での究極のホットハッチバックとするには不十分だが、非常に強力な候補であることは間違いない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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