【電気自動車もダメ】ドイツ・ベルリンで自家用車禁止運動 5万人の署名集める 運転できるのは年12回?
公開 : 2021.10.14 06:25
ドイツの首都ベルリン中心部で自動車の使用禁止を求める市民運動が行われています。EVも例外ではありません。
大気質改善と安全性向上
ベルリン中心部の88平方kmの地域で自家用車の使用を禁止する市民運動に、5万人以上が署名した。
ベルリン・アウトフライ(Berlin Autofrei)が始めたこのキャンペーンは、都市高速鉄道網Sバーンの環状線に囲まれた地域で自動車を排除することを目的としたもので、もし実現すれば世界最大の自動車禁止都市圏を形成することになる。
この地域においては年間12回のレンタカー利用が認められるが、移動に制限のあるドライバー、配達員、警察や救急隊員、商業目的で自動車を必要とする人には、制限が緩和される。
この自動車禁止令は、市民の健康、大気質、安全性を向上させることを目的とし、「合理的な移行期間」を経て発効される。計画では、すべての年齢層にとってより社会的な道路環境を作るため、駐車スペースを花壇に変えるという街並みの変更も行われる。
また、EV(電気自動車)もタイヤの摩耗による汚染など、ICE車と同様の問題を引き起こす可能性があるため、禁止対象となる。
キャンペーン担当者のニック・ケストナーは、英ガーディアン紙に次のように述べている。
「連邦政府が定めた交通機関の排出量目標を達成するためには、来年には約半数の自動車がEVになる必要があります。現在、ドイツ国内でEVを使用しているのはわずか1.3%です。つまり、唯一の解決策は、運転方法を変えるのではなく、運転量を減らすことなのです」
ベルリン・アウトフライはキャンペーンの一環として、公共交通機関の低価格化(将来的には完全無料化を目指す)、包括的な駐車場管理、緑地の追加、そして市内に新たな高速道路を建設しないことも要求している。
このキャンペーンには、これまでに5万333人の署名が寄せられている。
キャンペーンは、3段階のプロセスからなる直接民主主義の形態を採っている。第1段階では2万人の署名、第2段階では17万人の署名が必要だ。そして、提案された法律を政府が拒否した場合、国民投票へと持ち込まれる。