【愛されコンパクト】運転が楽しい小型車 10選 ポケットサイズのロケット

公開 : 2021.10.18 18:05

絶対的な速さはなくても、的確なハンドリングや愛らしいデザインでドライバーの心を掴む小型車を紹介します。

愛してやまないポケット・ロケット

執筆:AUTOCAR UK編集部
翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

海外では、コンパクトでありながらスポーツカーばりの走りを楽しむことができるクルマを「ポケット・ロケット」と呼ぶことがあるようだ。要はポケットサイズのロケットということだろう。

欧州ではポケット・ロケットへの注目度は高く、警察官を怒らせることなく公道で思い切り楽しむための最良の方法、なんて言われている。直線での加速力も重要だが、ポケット・ロケットの良さは、ハンドリングとシャシーの扱いやすさ、そして低コストでビッグスマイルを得られることにある。

小さくても楽しい「ポケット・ロケット」は、運転の魅力がスピードだけでないことを教えてくれる。
小さくても楽しい「ポケット・ロケット」は、運転の魅力がスピードだけでないことを教えてくれる。

最小限の出費でドライバー・エンターテインメントを見事に実現してくれるクルマが欲しいなら、このリストに並んでいるようなポケット・ロケットがお勧めだ。

1. フォードフィエスタST

この最新のフィエスタSTの発売により、フォードはポケット・ロケットのトップ10に返り咲いた。これまでと同様、フィエスタは卓越した性能を発揮し、手頃な価格でスリルあるハンドリングを味わえ、驚くほどのパンチ力と日常的な使い勝手の良さを魅力的に組み合わせている。

英AUTOCAR編集部も優れたドライバーズカーとしてフィエスタSTを度々紹介してきたが、攻守兼ね備えた万能ハッチバックとして高次元でバランス良くまとめられている。

1. フォード・フィエスタST
1. フォード・フィエスタST

しかし、欠点がないわけではない。例えば、新開発の3気筒エンジンは十分なパンチ力とスムーズさを備えているが、ホットハッチに期待されるような高回転域での元気なキャラクターが見当たらない。また、キャビンは地味でプラスチッキーであり、一般道での乗り心地は非常に硬い。

しかし、適切な道や条件下であれば、フィエスタSTほど魅力的なスピード感とシャープなハンドリングを安価に提供できるクルマは他にはない。素晴らしいドライバーズカーなのだ。

2. ヒュンダイi20 N

手頃な価格のパフォーマンスカーの作り手として、最近見過ごせなくなってきたのがヒュンダイだ。その最大の理由は、ラリーにインスパイアされた新型ハッチバック、i20 Nにある。

このクルマは、上位車種のi30 Nよりもシンプルかつ直接的に、クラシックなホットハッチになろうと試みている。小型軽量であることはもちろん、アクティブ・ディファレンシャルの代わりに従来型のリミテッド・スリップ・ディファレンシャルを採用し、パンチの効いた1.6Lターボエンジンと6速MTを搭載。アダプティブ・ダンパーではなく優れたパッシブ・ダンパーを装備している。

2. ヒュンダイi20 N
2. ヒュンダイi20 N

その結果、i20 Nは、本物のラリーカーのように慎重に研ぎ澄まされたキャラクターを持つことになった。ボディコントロール、高速走行時の正確さと落ち着き、ステアリング精度のすべてが、このサイズのクルマではめったに見られない水準に達している。その俊敏さは、204psしかないクルマとしては予想以上に高い。

標準モデルのi20は、この10年間で欧州の列強と肩を並べるようになったメーカーだけあって、室内の広さや装備も驚くほど充実している。i20 Nに欠点があるとすれば、やや落ち着きすぎていて、スリルに欠けるという点だろう。人によっては、もっと速いクルマを求めるかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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