【新型SUV、未だ現れず】マセラティ・グレカーレ 公開延期 半導体など部品不足が原因

公開 : 2021.10.19 18:05  更新 : 2022.03.25 18:28

マセラティが11月に予定していた新型グレカーレの発表は、部品不足により2022年春へ延期されました。

予測される需要に対応できない恐れ

執筆:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

マセラティは、同社2番目のSUVとして新型グレカーレの発売を控えているが、半導体の不足が続いていることから、公開時期を11月16日から2022年春に延期せざるを得なくなった。

同社は、「生産工程を完成させるために必要な主要部品のサプライチェーンに支障をきたしている背景の問題を考慮」してこの決定に至ったと述べている。部品不足に起因する生産制限により、現在のところ、予想される世界的な需要に対応することはできないと判断された。

マセラティ・グレカーレのプロトタイプ
マセラティ・グレカーレのプロトタイプ    AUTOCAR

新たな日程はまだ決まっていないが、当初予定していた11月16日の発表日に、新情報の発表が行われるようだ。

グレカーレは、アルファ・ロメオ・ステルヴィオとサイズが似ていることは明らかだ。また、カモフラージュによってデザインの多くが隠されているが、大型SUVのレヴァンテの影響も確認できる。

グレカーレの車名は「地中海の激しい北東風」にちなんで名付けられた。マセラティ第2のSUVとして、同社の復活計画の重要な一部を担っている。

生産はイタリア・カッシーノにあるFCAの工場でアルファ・ロメオ・ステルヴィオと同じラインで行われる。マセラティは、この工場に約8億ユーロ(約1030億円)の投資を計画している。

ステルヴィオとはアンダーパーツの多くを共有し、2022年までには完全EVバージョンも登場する見込みだ。エンジンは、ギブリやレヴァンテに搭載されているマイルド・ハイブリッドの2.0Lターボや、MC20に搭載されている新開発のV6エンジン「ネットゥーノ」をダウンチューンしたものなどが考えられる。

マセラティらしい走りを実現

マセラティのグローバル戦略責任者であるフランチェスコ・トノンは、AUTOCARに対し、グレカーレは「このクラスで最も実用的でありながら、ラグジュアリーでもある」と述べた。

「クラス最高のデザインと機能を備えています。もちろん、マセラティであることに変わりはなく、クラス最高のパフォーマンスとハンドリングも提供します」

マセラティ・グレカーレのプロトタイプ
マセラティ・グレカーレのプロトタイプ    AUTOCAR

2025年には、マセラティの販売台数の70%をSUVが占め、セダンは15%に減り、MC20などのスポーツカーは5%になると予想されている。

グレカーレの存在は、FCAの前CEOであるセルジオ・マルキオンネが2018年に初めて明かしたもので、製品ラインナップの全面的な見直しの一環として発表された。

また、クーペ、コンバーチブル、完全EVの3つのバリエーションを持つMC20に加えて、新型グラントゥーリズモとグランカブリオも計画されている。

また、2023年および2024年には、新世代のレヴァンテとクアトロポルテにも電動パワートレインが搭載される予定だ。最上級仕様では、800Vの電気システムと3基のモーターを使用する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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