【なぜ危険?】違法チャイルドシート「後付け」ISO FIX部品 国交省、公式に注意 あらためておさらい
公開 : 2021.10.23 05:45 更新 : 2022.03.25 18:49
違法なチャイルドシート「後付け」ISO FIX部品を、国土交通省が公式に注意喚起。なぜ危険かを改めてお伝えします。
もくじ
ー国交省が公式に注意喚起 後付けISO FIXとは?
ー国土交通省の注意喚起
ー存在自体が異常 「後付け」ISO FIX取り付け金具
ー同じクルマでも欧州仕様は助手席ISO FIX
ー後付けISO FIXは「フェイク」ISO FIX
国交省が公式に注意喚起 後付けISO FIXとは?
AUTOCAR JAPANが今年6月18日に報じた「違法なISO FIX後付け部品」について、国交省が正式に公式サイト内にある「チャイルドシート・コーナー」にて注意を呼び掛けている。
今年6月、筆者がこの件で国交省自動車局審査・リコール課に取材した際には「今後も具体的な商品について、保安基準に適合していない疑いがあるなどの情報提供をいただければ、その情報をもとに対応します。基準に適合していなければ、注意喚起などをおこないます」と、話していた。
あれから3か月。やっと9月下旬に国交省公式の注意喚起が実現したことになる。
注意喚起の内容を改めて確認しておこう。
国土交通省の注意喚起
後付けISOFIX取付金具にご注意ください
ISOFIX※1アンカレッジ(ISOFIXチャイルドシートを車側に取付ける金具類)については、強度や取付位置等を道路運送車両の保安基準※2で定めておりますが、現在、この基準に適合していないおそれがある「後付けISOFIX取付金具」が流通しております。
この後付け取付金具が、ISOFIXアンカレッジが装備されていない車両に用いられ、万一交通事故が発生した際には、取付金具が破断する、又は折れ曲がる等が発生した場合、最悪の場合は座席からチャイルドシートごと放出され、車外へ飛び出してしまうおそれがあるなどの危険性が考えられます。
そのため、基準に適合していることが確認できないものは使用しないようにお願いいたします。
また、ISOFIX取付金具が装備されていない車両にはシートベルトで取付けするチャイルドシートをご使用ください。
※1 シートベルトを使用せず、専用の金具で座席に固定する方法で、誰でも簡単・確実に取付けることができます。
※2 道路運送車両法第22条の5の2号
存在自体が異常 「後付け」ISO FIX取り付け金具
要するに後付けISO FIX金具とは、「ISO FIXがない座席でISO FIXチャイルドシートを使うための部品」のことである。
しかし、この文面だけ読んでも「後付けISO FIX金具」? 何それ? どんな形をして、どんな風に販売されているのか? など、写真もイラストもないので多くの方がその姿や取り付けた状態を想像すらできないだろう。
後付けISO FIXの危険性を理解できる方も少ないと思われるので、改めてなぜ危険なのか? 誤って選んでしまう可能性はないのか? について解説する。
もしかしたら、全く知らないうちに後付けISO FIX金具を購入して使っている人もいるかもしれない。
ISO FIX金具は車両シートベルトと同様、自動車の製造ラインでシートに装備される部品である。
日本ではチャイルドシートの安全基準がECE R44に全面改訂された2012年7月1日以降に販売される新車には一部を除いて全車標準装備されている。
モデルチェンジのタイミングもあるが実際には2008~2009年頃から多くのクルマが標準装備を始めている。
金具がついている座席は日本車の場合、後部座席の左右2席が大半を占める。
シートの背もたれと座面の間にISO FIXのマークがあり、ドイツ車など金具部分が露出しているタイプもあるが、指で探って位置を確認するタイプもある。