【デザイン/性能/詳細は?】5代目となる新型レンジローバー 英国発表 悪路もイケる最上級SUV
公開 : 2021.10.28 06:05 更新 : 2021.10.28 09:30
ランドローバーは高級SUVの新型レンジローバーを発表しました。初となる完全EVモデルも採用されています。
もくじ
ーEV仕様は2024年に登場予定
ーデザインは正常進化
ー静粛性と剛性を大幅に向上
ー3.0L 直6のPHEVも登場
ーディフェンダー並の悪路走破性
ー操作性を向上させたインテリア
ー豪華絢爛、最上位モデルのSV
ーレンジローバー・ファミリーの今後の展開は?
EV仕様は2024年に登場予定
ランドローバーは、第5世代となる新型レンジローバーを英国で発表した。全面的に刷新され、ランドローバーの排出ガス削減計画に沿って大幅に電動化されている。
新型レンジローバーは、5年間、700万時間に及ぶテストプログラムを経て、来年春に欧州市場へ投入される。2024年に発売予定のEV仕様は、ランドローバー初の完全電動モデルとなる。
今回発表されたのは、標準タイプ(スタンダードホイールベース)とロングホイールベースタイプの2種類で、後者には初めて7人乗りのシートが用意されている。日本仕様の税込み価格は、標準タイプが1637万円から、ロングホイールベースが1870万円からとなっている。
デザインは正常進化
ショルダーライン、ショートオーバーハング、「フローティング」ルーフ、クラムシェル・ボンネットなど、レンジローバーの特徴的なシルエットは基本的に維持されているが、現行モデルとの違いは広範囲に及ぶ。
最も明らかな違いは、リアに大きなグロスブラックパネルが追加されたことだ。このパネルには、サイドに縦型のブレーキランプ、上部にバー状のインジケーターが組み込まれているが、これらは使用していないときは見えないようになっている。ランドローバーは、このデザインがレンジローバーの「特徴」になるとしており、次世代イヴォーク、レンジローバー・スポーツ、ヴェラールの後継モデルにも採用されるようだ。
テールライトには、現存する中で最も強力なLEDが使用されているという。フロントでは、各ヘッドライトクラスターに約120万個のミラーが備わっており、光を反射して明るさを確保する。それぞれのミラーは独立してON/OFFの切り替えが可能で、対向車に光が当たらないようにする機能を備えている。
リアエンドは新デザインにより、機能性と実用性を大幅に向上させている。トランクフロアに新たに設けられた可動式のパネル(隠れた積載スペース)は背もたれにもなり、テールゲートが2人掛けのベンチに早変わり。底面にはドリンクホルダーが装備される。
フロントドア前の「ギル」パネルやグリルのデザインを一新し、ポップアップ式のドアハンドルがスマートな印象を与えている。レンジローバーは空力効率の向上にも力を入れており、空気抵抗係数は12%改善され、0.30という数値を実現している。
静粛性と剛性を大幅に向上
ジャガー・ランドローバーの新しいMLA「フレックス」アーキテクチャーは、現行のレンジローバーのものと比較して、ねじり剛性が50%向上し、構造体から発生するノイズが24%減少しているという。これは主に、複合材やボディシェルに組み込まれた「リング」を使用して剛性を最大限に高めることによるものだ。
構造体の80%はアルミニウムで構成されているが、主要部分にはスチールが多用されており、衝突防止性能と消音性能が向上している。全体的に、MLAは現行モデルよりも若干重くなっているが、内燃機関と電気モーターの両パワートレインに柔軟に対応できるようになった。
標準装備のパノラミックサンルーフを装着した状態でも、このような高い剛性を実現している。車両プログラム・ディレクターのニック・ミラーによると、スチールを大幅に取り除いたことによる横方向の剛性低下は、同じ荷重負担機能を持つ高強度のガラスパネルを設置することで相殺されているという。
また、アンダーボディにエアロシールドと呼ばれるものを配置し、空気を効率的にリアへと導く。リアのサスペンションにも空力に配慮したカバーを設け、「アンダーボディの気流をコントロールする」ようにしている。