オペル・マンタ、2025年に復活見込み FRクーペから電動クーペSUVへ移行
公開 : 2021.11.01 18:05
オペルのスポーツクーペ、マンタが2025年にEVのクーペSUVとして復活。ブランドの新しい顔となります。
かつてのスポーツクーペの名が復活
ドイツの自動車メーカー、オペルがかつて販売していた「マンタ」の名が2025年に復活することが明らかになった。ステランティス傘下でランチア・デルタと並んで登場する。
1970年に発売された初代マンタが後輪駆動のクーペであったのに対し、新型マンタはEVのクーペSUVとなる。フォード・マスタング・マッハEと同じように、オペルはクラシックな車名を使うことで伝統や歴史を引き継ごうとしている。
マンタの復活は、オペルとその姉妹ブランドであるヴォグゾールが2027年からEVのみを販売するという計画を明らかにした7月に確定していた。ヴォグゾールは、コルサやモッカにEV仕様を設定しており、まもなく登場する新型アストラにも設定される予定だ。
電動SUVとなるマンタの詳細は明らかになっていないが、ステラティスが開発中のEVプラットフォーム(4種類のうち1つ)が採用されるだろう。最も可能性が高いのは、CセグメントおよびDセグメント用の「STLAミディアム」だ。このプラットフォームでは、最大104kWhのバッテリーを搭載して約700kmの航続距離を実現できるほか、1基または2基のモーターを搭載できる。
ステランティスによれば、新しいプラットフォームに搭載されるモーターは、0-100km/h加速のタイムで約2.0秒を達成できるという。STLAミディアムに搭載されるモーターの出力は169psから244psなので、ツインモーターのマンタでは400psを超える出力を得ることができるだろう。
マンタは、オペルとヴォグゾールにとって、急成長している電動SUV市場に投入してブランドの顔となる重要なモデルだ。ライバルとしては、前述のマスタング・マッハE、ヒュンダイ・アイオニック5、キアEV6、フォルクスワーゲンID.4などと刃を交えることになるだろう。
ステランティスはランチア復活を計画
ステランティスが開発している4種類のEVプラットフォームは、アルファ・ロメオ、シトロエン、DS、フィアット、ジープ、ランチア、マセラティ、プジョーなど14のブランドすべてで使用される。アルファ・ロメオやDS、ランチアなど、モデル数の少ないブランドにとっては、プラットフォーム共有によるスケールメリットを活かしながら、迅速にラインナップを拡充できるメリットがある。
アルファ・ロメオは、近日発売予定のクロスオーバー車、トナーレを皮切りに、2025年までの間に毎年少なくとも1台の新型車を発売するとしている。この計画の中にはアルファ・ロメオ初の完全EVが含まれている可能性があり、最大出力448psのモーターを搭載可能なSTLAラージ・プラットフォームが採用されるかもしれない。
一方、ステランティスは、フィアット・クライスラー・オートモービルズの後塵を拝し、今ではたった1台の小型車イプシロンをイタリア国内でしか販売していないランチアを再興するという、大胆な計画も立てている。
ランチアのルカ・ナポリターノCEOは最近、2024年に新型イプシロン、続いて新型デルタが登場することを認めた。「デルタ」の名は2014年以降使われていない。
ラリーでの成功が印象的な初代デルタは、1979年から1999年まで販売されていた。その後、2008年にプレミアム志向のハッチバックで車名が再使用され、最終的にはクライスラーのバッジを付けて各国で販売された。
EVとして登場する新型デルタは、ランチアブランドの新しいポジショニングに合わせて、プレミアム志向のユーザーをターゲットにしていると思われる。ナポリターノCEOは、「真のデルタになるでしょう。エキサイティングなクルマであり、進歩と技術のマニフェストです。そしてもちろんEVになるでしょう」と述べている。
ランチアは、ステランティス傘下のプレミアムブランドとしてアルファ・ロメオやDSと連携しており、オンライン販売や3ブランドで共有するショールームを通じて、欧州全域に展開する計画である。