三菱アウトランダーPHEV新型登場 パジェロ時代の「輝き」取り戻せる?
公開 : 2021.11.09 05:45
新型三菱アウトランダーPHEVが登場。パジェロなき今の三菱のフラッグシップとしての役割に期待がかかります。
パジェロはもういない……
威風堂々、上質で最新技術フル装備。
アウトランダーPHEVは名実ともに、三菱のフラッグシップモデルとなった。
三菱は、アウトランダーPHEV日本バージョンを2021年10月28日、オンライン発表した。
これを受けて、同社の加藤隆雄社長と、ものづくり担当の長岡宏副社長が参加した、メディア向けのグループインタビューが実施された。
筆者(桃田健史)を含め、メディア関係者らからさまざまな質問が飛んだ。
その中で、アウトランダーPHEV開発の背景や、三菱がこれから目指すビジネスの方向性などが明らかになった。
まずは、アウトランダーPHEVの商品としての「立ち位置」である。
長年に渡り、三菱のフルラインナップの頂点にはパジェロがいた。
だが、ルノー日産三菱アライアンスという3社連合への以降に伴い、パジェロの役割は終焉した。
2001年にグローバルでデビューのアウトランダーは、日本ではエアトレックとしてスタートし、欧州、北米、東南アジアで三菱を支えてきた。
それが今回、2013年以来9年ぶりとなるフルモデルチェンジによって「旧型より、内外装も走りも、1クラス上という狙いどおりの仕上がり」(加藤社長)として、三菱の最上級車種として生まれ変わった。
日本では「PHEV専用」で勝負
すでにアメリカやニュージーランドでは先行発売され、またもうすぐオーストラリアでも販売が始まる予定の、新型アウトランダー。
とくにSUV王国であるアメリカは、北米市場の中核セグメントであるミッドサイズSUVとしての商品価値を最大限に意識しているため、直列4気筒2.5L MIVECエンジンとCVTの組み合わせで前輪駆動車と四輪駆動車を並存させている。
北米でのPHEVモデルについては、本稿執筆時点では先代モデルをラインナップしており、追って新型に切り替わると考えられる。
それでも、グローバルでアウトランダーPHEVに関するさまざまな情報発信がされているため、海外の現地販売店やユーザーからはPHEVに対する問い合わせが多いという状況だ。
こうして出足好調のアウトランダーだが、日本市場についてはPHEV専用モデルとして導入する。
その理由は、旧モデルの日本国内販売状況を踏まえてとのことだ。「日本では明らかにPHEVが強い」という。
ただし、例えば日本市場ではエクリプス・クロスで、ガソリン車を追加導入して価格がリーズナブルであることから若い世代からの受注が増えているといった状況もあるため、アウトランダーについても市場状況やユーザーからの反応を今後、注視していくという考えを示した。