フォルクスワーゲン新型「ID.Buzz」 プロトタイプ公開 スライドドア採用のEVミニバン

公開 : 2021.11.09 06:25

フォルクスワーゲンは、電動ミニバンの「ID.Buzz」の試作車を公開。来年初頭に生産開始される予定です。

自動運転機能にも期待の電動ミニバン

フォルクスワーゲンは、新型EVのID.Buzz(ID.バズ)にカモフラージュを施したプロトタイプを公開した。

2022年後半に欧州での発売が予定されているID.Buzzは、ID.3ID.4、ID.5に続く、フォルクスワーゲン4番目のEV専用モデルとなる。

公開された新型「ID.Buzz」のプロトタイプ
公開された新型「ID.Buzz」のプロトタイプ    フォルクスワーゲン

また、IDモデルとしては初めて、乗用車と商用車の両方に対応しており、来年初頭からドイツ・ハノーバーにあるフォルクスワーゲンの商用車工場で生産される予定だ。

フォルクスワーゲンのEV用プラットフォーム「MEB」をベースとしたID.Buzzでは、スタンダード・ホイールベースとロングホイールベースの2つのモデルが投入される。両モデルともに、さまざまなシートレイアウトやインテリア構成が用意される。

当初のコンセプトモデルよりもスクエアな形状を採用しており、これは最大限の室内空間を確保するためのものだと、フォルクスワーゲンの関係者はAUTOCARに語っている。

また、コンセプトで見られたスタイリング要素の多くはトーンダウンされており、クリーンで不自然さを感じさせない外観となっている。

今回、フォルクスワーゲンが公開した写真の中で、エクステリアデザインのポイントとなっているのは、フロントに巻き付くように配置された角型のヘッドライトだ。このヘッドライトは、ボンネットに大きく配された「VW」バッジを通るライトバーで結ばれている。下部には、コンセプトモデルと同様のフルワイドグリルが設置されている。

フロントには従来のヒンジ式ドアを2枚、リアにスライド式ドアを2枚採用している。技術的な詳細はまだ発表されていないが、ドライブトレインやバッテリーの構成は、他のIDモデルと共通になると予想される。

また、ID.Buzzは、フォルクスワーゲンが自動運転開発企業のアルゴAI社と協同開発中の自動運転技術において重要な役割を果たすとされている。2022年の発売以降は、他のMEBベースのモデルに見られるようなレベル2の半自動運転機能を搭載する予定だが、フォルクスワーゲンは2025年にレベル4の機能を導入することを目指しているという。

フォルクスワーゲン・グループの兄弟会社であるモイア(Moia)社は、ID.Buzzで実現予定の自動運転機能を利用する最初の企業となることを明らかにしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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