電動車、浸透してきた? クルマの電動化の歴史といろんな電動車が存在する背景

公開 : 2021.11.11 05:45

昨今急速に進むクルマの電動化。電動化が進んだきっかけといろんな電動車が存在する背景を解説します。

進むクルマの電動化

このご時世、クルマ選びをするうえで気になるのが電動化ではないだろうか。

とくに最近は、メーカー別、またモデル別でさまざまな種類があるので、例えば何十年に渡る自動車遍歴をお持ちの人でも、けっこう迷ってしまうのではないだろうか。

トヨタ・プリウス
トヨタプリウス    トヨタ

そもそも、クルマの電動化とは何か?

普段の生活を振り返ってみれば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、スマホ、パソコン、ドライヤーなど、毎日にように手に触れている生活必需品の多くが、電気で動く電動機器だ。

電源としては、家庭用コンセントからの有線、または交換可能な乾電池や組み込み式の電池などが使われている。

一方で、クルマに目を向けてみると、今でもほとんどのクルマはガソリンスタンドで、ガソリン、またはディーゼル燃料(経由)を補充するスタイルを取っている。

そうした液体燃料をエンジン(内燃機関)で燃やすことでクルマの駆動力を得ている。 

つまり、多くのクルマは、エアコンやカーナビなど電気製品を搭載していても、クルマ本来の目的である動くことについては電動機器ではないのだ。

当たり前のように普段接しているクルマだが、生活全体の中では「ちょっと違う存在」だといえる。

だったら……。

EVよりも身近なハイブリッド

クルマも冷蔵庫やスマホのように、電動機器になれば良いのでは、と思うのは当然のことだろう。

それが、電気自動車(EV)だ。

トヨタ・プリウス(初代)
トヨタ・プリウス(初代)

実は、今(2021年)から100年以上前の1900年代前半には、ガソリン車とEVが並存していた時期がある。アメリカのニューヨークではEVタクシーが普通に走っていたのだ。

なぜ並存していたかといえば、ガソリン車の製造や維持のコストは、EVと大きな差がなかったからだ。

それが、ガソリンエンジンの研究開発が進み、ガソリンの品質も上がり、ガソリン車の大量生産と大量消費が始まる一方で、EVは電池やモーター、そしていまでいう制御システムの進化がガソリン車に比べると圧倒的に遅かった。

その後、70年代のオイルショックや世界的な排ガス規制強化で、EVに注目が集まる時期もあったが、それでも技術革新が起こらず、1997年の初代プリウス誕生となる。

ハイブリッド車とは、2つの動力源を組み合わせる仕組みを指す。クルマでは、エンジンとモーターの2つというのが基本となる。

研究開発レベルでは、ハイブリッド車は世界各地に存在したが、大量生産製品となったのはプリウスが世界で初めてだ。

ところが、プリウスは2代目が登場するあたりまで、世界の自動車産業をリードしてきたドイツやアメリカからは……。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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