世界のEV事情 主要9か国をざっくり比較 日本は充電器が余っている? 海外との違いは
公開 : 2021.11.25 05:45
いま世界中でEV(電気自動車)が注目を集めています。各国の補助金制度やインフラ整備の現状を伝えます。
EV普及をどのように促進しているのか
EVのみの新車販売を目指す国がある一方で、ガソリンやディーゼル車に依存している国もあり、またその中間に位置する国も数多くある。
英AUTOCAR編集部は、9つの市場の政策、計画、インフラを調査し、主要国のアプローチの違いを調べた。その結果は以下の通り。
オランダ
補助金:4万5000ユーロ(約580万円)以下の新車EVには4000ユーロ(約50万円)、中古EVには2000ユーロ(約25万円)の補助金を支給。
インフラ:公的充電器約7万5000基、民間充電器約18万基(7月現在)。
興味深い事実:100kmあたり平均47.5基の充電器が設置されており、欧州では最も多い。
オランダは、ノルウェーに次ぐEV推進国で、2030年のICE(内燃機関車)の新車販売禁止については英国よりもはるかに現実的だ。オランダには欧州で最も高密度な充電ネットワークが存在し、EVには豊富な減税措置が、ICE車にはハンデがある。2020年のプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)と燃料電池車(FCEV)の市場シェアは24.8%だった。
ノルウェー
補助金:購入補助金はないが、EVはVAT(付加価値税)と購入/輸入税が免除される。その他にもさまざまなメリットが用意されている。
インフラ:1万6000以上の公共充電器。
興味深い事実:2005年以降、EVはバスレーンでの走行が認められている。
ノルウェーは、EV普及においてグローバル・スタンダードとなっている。2020年の新車販売台数の約75%が電動モデルで占められており、そのうち54%がEVで、この割合はどの国よりも高い。2025年までにICE車の新車販売を段階的に廃止する計画だが、EVの購入/輸入税免除などの優遇措置が1990年にすでに導入されていることを考えると、実現の可能性は高いと思われる。
米国
補助金:電動モデルに対して最大7500ドル(約85万円)の連邦税控除がある。米国の組合員が製造したEVに対しては、これを1万2500ドル(約140万円)まで引き上げる計画がある。奨励金は州によって異なる。
インフラ:約4万3000の公共充電器。
興味深い事実:カリフォルニア州の充電器の数は、充電器の少ない39州の合計数とほぼ同じ。
米国のEVに対する考え方は、州によって大きく異なる。2010年からは連邦政府による税額控除が実施され、全50州のうち40州ではカリフォルニア州を筆頭に電動モデルに優しい政策がとられている。2020年の販売台数に占めるEVの割合は1.7%。議会は2030年には50%に引き上げるとともに、50万台の充電器設置を目指している。