最強レヴォーグ登場 2.4Lエンジン加わる  STIスポーツR EXの性格は? 試乗

公開 : 2021.11.25 08:00

スバル・レヴォーグに2.4Lエンジン搭載モデルが追加。STIスポーツR EXに試乗しました。

レヴォーグに追加、2つ目のパワートレイン

かつては豊かな週末をイメージさせるモデルとして活況を呈していたステーションワゴン。

SUV人気にすっかり押されてしまった最近はスタイリッシュなボディを纏い、「シューティングブレーク」的な方向に活路を見出すモデルもあるが、正統派だってちゃんといる。スバルレガシィから続くスポーツイメージをさらに洗練させ、スバルを代表するモデルとなっているレヴォーグもその1台だ。

スバル・レヴォーグ STIスポーツR EX
スバル・レヴォーグ STIスポーツR EX

レヴォーグは昨年フルモデルチェンジを行い2代目となっている。初代のエンジンは2Lと1.6Lのターボから選べたが、2代目はこれまでのところ1.8Lターボ1本だった。

そこに今回、2.4Lターボ・エンジン搭載モデルが追加されることになったのだ。

1.8Lターボ・モデルの最上級グレードはSTIスポーツEXだったが、FA24型2.4Lエンジンを搭載するSTIスポーツRとスポーツR EXは、そのさらに上のグレードとなる。

レヴォーグが搭載するトランスミッションは、従来はリニアトロニックと呼ばれるCVTだった。

だが今回の2.4Lエンジンに組み合わされるトランスミッションは新開発のスバルパフォーマンストランスミッション(SPT)に置き換えられている。

といってもこれもCVTなのだが、エンジンとの協調制御を盛り込むなどしてレスポンスを格段に向上させているという。

もともとスポーティ・イメージの強かったレヴォーグの走りは新しいパワートレインを得てどう変わったのだろうか?

+400ccで得たのは、速さよりバランス

今回のスバル・レヴォーグSTIスポーツR EXの試乗会は新型WRX S4と同じ機会に袖ケ浦フォレストレースウェイ(FRW)でおこなわれた。

ブラックとボルドーの2トーンで仕立てられた革シートや赤いステッチが入った革巻きステアリングは1.8LのSTIモデルと同様。ダッシュパネルの中央に備わる大きめのディスプレイ等の意匠にも変化はない。

新型スバル・レヴォーグはパワートレインの角が取れたしっとりしたキャラクターとワゴンボディとのマッチングが優れていたと筆者。
新型スバル・レヴォーグはパワートレインの角が取れたしっとりしたキャラクターとワゴンボディとのマッチングが優れていたと筆者。

発進時の自然吸気エンジンっぽい蹴り出しも印象的だったが、そこから淀みなくスピードが上がっていく様子もターボ的な感じが希薄。

ところがスピードメーターを見ると思ったよりスピードが出ている。こういう展開はドイツ車に多い。

言い方を変えると、シャシーが勝っているクルマに多いパターンといえる。

FA24エンジンの最高出力は275ps。これは1.8Lエンジンの98ps増し、というとすごい数字に思えるが、初代のSTIモデルが2Lターボで300psを発生していたことを考えれば、おとなしめといえる。

最大トルクでも若干負けているのだが、その発生回転数は同じ……。であるにもかかわらず、新型の方が洗練されたものに感じる理由は、器の完成度、シャシーの出来なのだと感じた。

今回試乗したレヴォーグと同じパワートレインを積んでいるWRX S4の場合は、もう少しパワーやトルクの出方にドラマ性が欲しいと感じた。

これとは対照的にレヴォークはパワートレインの角が取れたしっとりしたキャラクターとワゴンボディとのマッチングが優れていたのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    宮越孝政

    Takamasa Miyakoshi

    1973年生まれ。スタジオワークを中心としたカメラマンのアシスタントを数年経験後、自動車雑誌の編集部員として、見習いに。編集部員時代に鍛えられた事は長距離の自走での移動と早朝ロケで早起きすること。その後、独立し、フリーランスとなる。クルマと関わりを持っていられることに幸せを感じる。愛車はルノー・カングー、日産スカイラインGT-R(R32)

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