冬の道を走る グッドイヤー・アイスナビ8 最新スタッドレスタイヤの総合性能とは

公開 : 2021.11.29 22:25

冷え込みが強まっています。今年2月に、寒波のなか、プリウスにグッドイヤーのアイスナビ8を履かせて、東京と志賀高原を往復。当日のレポートをご紹介します。

日本生まれのスタッドレスタイヤ

グッドイヤーと聞くとアメリカのメーカーを思い浮かべるだろうが、それは正解であり、間違いでもある。

スタッドレスタイヤに関しては、日本グッドイヤーが独自に日本の氷雪に合わせて開発した専用品を、日本で製造しているのである。

2021年2月某日、東京-志賀高原間を往復。前輪駆動のプリウスに履かせたのは、グッドイヤーの最新スタッドレスタイヤ。
2021年2月某日、東京-志賀高原間を往復。前輪駆動のプリウスに履かせたのは、グッドイヤーの最新スタッドレスタイヤ。    前田恵介

日本グッドイヤーは1997年に初代アイスナビを送り出して以来、モデルチェンジの度に進化を続けてきた。今回登場したのは8代目となる最新作の「アイスナビ8」だ。

そもそも氷雪路というのは、絶対的なグリップ力が低いため、一般のユーザーでも限界性能をすぐ感じ取れてしまう。そのためスタッドレスタイヤは、常にユーザーのシビアな声と対峙して進化を続けてきた。

同社が積雪地のドライバーに調査したところ、スタッドレスタイヤで不満な点は、凍結路での性能がトップで挙げられ、ここに雪上での性能、耐摩耗性能が続いたという。

それを受けて誕生したアイスナビ8は、日本の冬道で求められる氷上性能、雪上性能に加え、性能の持続と耐摩耗性能をバランスさせている。アイスナビ・シリーズの集大成といえるのだ。

ここでレポートするテストドライブは2021年の2月に実施したもので、FWDのトヨタ・プリウスに装着して、標高1500mから2000mにある志賀高原に向かうというルートを選んだ。

東京都内から現地入りするまでの高速と一般道では、ドライ性能のチェックを行うこととした。

スタッドレス選び、その難しさ

筆者が初めてスタッドレスタイヤを購入したのは1989年のこと。それから2~3年おきに様々なメーカーの製品を使用してきた。

当初はグリップレベルが低く、それまで使っていたスパイクタイヤが懐かしく思えたほど。

関東平野はドライコンディションだったが、山を登り始めると徐々に雪景色に。 一泊すると寝ている間に雪がさらに積もった。
関東平野はドライコンディションだったが、山を登り始めると徐々に雪景色に。 一泊すると寝ている間に雪がさらに積もった。    前田恵介

21世紀に入る頃には現在に近いレベルまで性能が向上したが、メーカーによっては得手不得手な部分もあり、すべての面で高い性能を備えるスタッドレスタイヤは存在しなかった。

さまざまな銘柄を使ってきた経験からいえば、都市部のオーナーの場合は、氷上性能だけではなく、ドライまでを高いレベルでこなすことが必須といえるだろう。

それでも一昔前のスタットレスタイヤはブロック剛性が低く、切り込むと「グニャ」という甘い感触があった。

志賀高原に向かうドライ・コンディションで試したアイスナビ8は、そうした感触が皆無で、終始夏タイヤと変わらぬナチュラルな手応え。横風・轍に進路を乱されることもなく、リラックスして乗ることができた。

ロードノイズも抑えられており、知らずに乗ったら、手応えを含めてスタッドレスタイヤを履いていることが分からないほどのレベルに仕上がっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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