新型メルセデス・ベンツCクラス・オールテレインへ試乗 伝統の能力+走破性 前編
公開 : 2021.12.06 08:25 更新 : 2022.11.24 15:43
最新Cクラス・ステーションワゴンに、悪路志向のオールテレインが登場。英国編集部は、拡充された能力を評価します。
Cクラス・ワゴンを土台に40mmリフトアップ
クロスオーバー嗜好が進むなか、2021年9月のミュンヘン・モーターショーで新モデルが発表されていた。アウディA4 オールロードやフォルクスワーゲン・パサート・オールトラック、ボルボV60 クロスカントリーといったモデルへ対峙するために。
それが、このメルセデス・ベンツCクラス・オールテレインだ。上級クロスオーバーとして、最新のCクラス・ステーションワゴンと、間もなく次世代へモデルチェンジされるSUVのGLCとの間に位置することになる。
Cクラス・オールテレインのコンセプトは、基本的にはひと回り大きいEクラスをベースにした、Eクラス・オールテレインと同じ。こちらは、2017年から英国のディーラーに並んでいる。
フロント4リンク、リア5リンクとなるCクラスのサスペンションを改良し、車高を40mmリフトアップ。砂や泥への耐性を高めるため、ステアリング・ナックルは専用品が与えられている。
ボディまわりは、専用フロントグリルと前後バンパー下のキックプレート、黒い樹脂製のホイールアーチなどでオフロード感を演出。バンパー自体も、独自のデザインとなっている。アルミホイールは、17インチから19インチまで選択が可能だ。
ヘッドライトはLEDが標準装備。49km/hまで点灯可能な、明るいオフロードライトも備わる。
ボディに追加された変更によって、通常のCクラス・ステーションワゴンと比べて全長は4mmプラスの4755mmに。全幅は21mm増え、1841mmとなった。ホイールベースは2865mmと変わりない。
1.5L 4気筒ガソリンターボ+ISGのC200
メルセデス・ベンツは、欧州市場でのCクラス・オールテレインの販売台数をさほど見込んでおらず、この地で提供されるエンジンは2種類のみ。しかも、英国に正式導入される予定はないようだ。
今回試乗したのは、C200 4マティック・オールテレイン。1.5Lの4気筒ガソリンターボを搭載し、最高出力203ps、最大トルク30.4kg-mを発揮する。そこへ20psと20.2kg-mのスターター・ジェネレーター(ISG)を追加した、マイルド・ハイブリッドとなる。
C200dというディーゼルエンジンも用意される。こちらには199psと44.7kg-mを発揮する2.0L 4気筒ディーゼルターボと、選出のISGが組み合わされている。
トランスミッションは、エンジンを問わず9速AT。4マティックだから四輪駆動で、フロントに最大で45%、リアに最大55%の駆動力を、必要に応じて分配することを可能としている。
ドライブモードは、エコとコンフォート、スポーツに加えて、オールテレインに新設定されたオフロードとオフロードプラスの5種類。コースティング機能が備わり、負荷が小さい場合にエンジンを停止させ、エネルギー消費を抑えてくれる。
0-100km/h加速は、スポーツ・モードで7.5秒がうたわれ、後輪駆動のC200 ステーションワゴンと同時。最高速度は、試乗した4気筒ガソリンターボのC200 オールテレインなら、231km/hに設定される。
予習はこのくらいにして、試乗といこう。