フェラーリ初のSUVはこんなクルマに 最新プロトタイプ発見 V12エンジン搭載か

公開 : 2021.12.01 18:05  更新 : 2022.09.14 08:42

フェラーリが2023年までの発売を計画している新型SUVの試作車を発見。クーペ風のシルエットが明らかに。

フロントミドシップのクーペSUV

フェラーリは、2022年にSUVを導入する準備を進めている。そして、これまでに目撃されたマセラティレヴァンテをベースとした開発車両ではなく、市販仕様のボディワークを採用したプロトタイプのテストがついに始まった。

デザインの詳細は、厳重なカモフラージュでまだよく確認できないが、構造を共有するマセラティとどれほど違うものになるかをはっきりと示している。重要なのは、大きく弧を描くルーフラインで、クーペSUVのスタイリングを示唆していることだ。

フェラーリが開発中の「プロサングエ」のプロトタイプ
フェラーリが開発中の「プロサングエ」のプロトタイプ    AUTOCAR

短いオーバーハングと長くて低いボンネットも特徴的で、フェラーリ初のSUVとして、ビッグパワーと優れたハンドリングを実現すると期待される。

ボンネットの前縁が低いことから、重量配分の改善のためにエンジンをできる限り後方へ押し込み、812スーパーファストのようなフロントミドシップのレイアウトを採用していると思われる。

イタリア語で「サラブレッド」を意味する「プロサングエ(Purosangue)」というコードネームで開発されており、2022年の発表を見込んでいる。アストン マーティンDBXベントレーベンテイガランボルギーニウルスロールス・ロイスカリナンなどとは異なるポジショニングにより、ライバルとの差別化が図られるだろう。

既存のライバルとは異なるポジション

社内では「175」とも呼ばれている新型SUVは、昨年明らかにされた15台のニューモデルのうちの1台で、2023年までに発売される予定だ。

これらのニューモデルは2つの専用アーキテクチャーをベースに作られる。1つはF8トリブートのようなミドエンジンのスーパーカー用、もう1つはプロサングエを含むフロントミドエンジンのGTスタイルのモデル用となっている。

フェラーリが開発中の「プロサングエ」のプロトタイプ
フェラーリが開発中の「プロサングエ」のプロトタイプ    AUTOCAR

フェラーリのマイケル・ライターズ最高技術責任者は独占インタビューで、「このクルマと技術的コンセプトには確信を持っている」と明かした。

「真のSUVであり、SUVのお客様を納得させるコンセプトとパッケージを持っていますが、その一方で既存SUVとの大きな差別化コンセプトを備えてます」

このコンセプトは、フォルクスワーゲン・グループのMLBプラットフォーム(トゥアレグアウディQ7、ベントレー・ベンテイガ、ランボルギーニ・ウルスで採用)のような、グループで共有されている構造とは対照的に、自前のアーキテクチャーを組み合わせることで、SUVならではの室内スペースや快適性、フェラーリに期待されるパフォーマンスを実現するというものだ。

ライターズは次のように語っている。

「課題は、フェラーリの新しい分野を開拓することです。わたし達は常にシャープなポジショニングを持っています。特定の要素に焦点を絞って開発し、ある種のトレードオフを行うのです。ここでは、全く異なるトレードオフが必要になります。全く新しいエンジニアリングの課題を抱えることになるでしょう」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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