BMW 現行3シリーズのEV版発売へ 中国専用モデル「i3 eドライブ35L」とは?
公開 : 2021.12.10 18:25
BMW 3シリーズのEV仕様が中国へ導入。ロングボディの後輪駆動車で、「i3」の車名が採用されました。
現地のロングボディ仕様がベース
BMWは、現行の3シリーズのEV仕様を中国市場に導入する。中国情報産業技術省(MIIT)が木曜日に公開した登録申請書で明らかになった。
AUTOCARが入手した情報によると、このモデルは「i3 eドライブ35L」という名称で中国市場に限定して販売されるとのこと。2022年後半に、BMWと華晨汽車(ブリリアンス・オート)が瀋陽省大同市に設立した合弁工場で、SUVのiX3とともに生産を開始する予定だ。
現在中国以外では販売されていないロングボディの3シリーズをベースとしており、その全長は標準の3シリーズよりも163mm長い4872mm、ホイールベースも115mm長い2966mmとなっている。
i3 eドライブ35Lは、中国の現行ロングホイールベース3シリーズとの差別化を図るために、バンパー、ヘッドライト、クローズドのキドニーグリルなど新デザインのフロントエンドを採用している。
リアでは、バンパー下部のバランスパネルのデザインを変更し、iX3と同様のブルーのアクセントを添えている。標準で18インチ、オプションで19インチのホイールは、空力的に最適化された新しいデザインを採用。タイヤはそれぞれ225/50と225/45を装着する予定だ。
i4とドライブトレイン共有
後輪駆動のi3 eドライブ35Lは、EVセダンのi4と駆動系アーキテクチャーやサスペンションの大部分を共有しており、フロントに搭載された電気モーターもその1つだ。この同期モーターは、最高出力345ps、最大トルク43kg-mを発揮するとされている。
また、中国の自動車生産規制に合わせて、中国製のバッテリーを搭載する予定だ。iX3に搭載されているリチウム・マンガン・コバルトバッテリーと同様に、中国のバッテリー専門メーカーであるCATL社製を採用する。
性能についてはまだ明らかにされていないが、MIITの登録情報によると、車重は2029kgで、最高速度は180km/hに制限されるようだ。
現行3シリーズのCLARプラットフォームのフロアパンにバッテリーを搭載することによる重量増に対応するため、中国市場向けモデルには、i4と同様のジオメトリーのエアサスペンションが標準装備される。
i3 eドライブ35Lの中国以外での販売予定はないが、BMWは最新プラットフォーム「ノイエ・クラッセ」をベースにした、EVの中型セダンを開発中とのことだ。このモデルは、2025年に発売される予定で、第8世代の3シリーズのラインナップに不可欠な要素となる。
i3という車名は、2013年に登場したBMW初の量産EVに使われてきたが、同モデルが2022年に生産終了することに伴い、セダンに採用されることになった。