フォルクスワーゲン・ポロ 1.0 TSIへ試乗 古き良きVWらしさ フェイスリフト
公開 : 2021.12.25 08:25
フェイスリフトを受けたポロ。優れた設計と品質を備えたコンパクトハッチバックを、英国編集部が評価しました。
もくじ
ーモデル中期のフェイスリフトで競争力アップ
ー上位クラスに匹敵する高速道路での上質さ
ー大きなモニターに運転支援システムも標準
ー従来的なフォルクスワーゲンらしさ
ーフォルクスワーゲン・ポロ 1.0 TSI ライフ(英国仕様)のスペック
モデル中期のフェイスリフトで競争力アップ
過ぎ去る時間を誰も止めることはできない。コンパクトカーでも小柄なBセグメントに該当するハッチバックとして、AUTOCARがベストに選んだフォルクスワーゲン・ポロ。現行型は登場からだいぶ月日が過ぎてしまった。
その間にモデルチェンジしたライバルも少なくない。ポロも、リフレッシュする時がやってきた。
スタイリングは、従来のフォルクスワーゲンが採用していた直線基調のデザインへ、巧みに8代目ゴルフのような新しいテイストをミックスさせている。左右のヘッドライトを結んだ処理が新鮮だが、少し納まりが悪いようにも感じる。
ヘッドライト自体の輪郭は、目尻が下がったカタチに。テールライトは、テールゲートまで伸び大きくなった。引き締まった雰囲気のボディとは、少し対照的にも見える。
フォルクスワーゲンはフェイスリフトに伴い、欧州で展開されるトリムグレードを削った。現在英国で選べるのは、GTIを除くと、ライフとスタイル、Rラインの3段階となる。
英国で販売されているBセグメントとして、ポロはハイブリッドではないモデルのなかで最も高価。1番手頃なポロの価格は、1万7885ポンド(約271万円)から。80psを発揮する自然吸気1.0L 3気筒エンジンを搭載するライフだ。
実際に多く選ばられるであろうポロは、95psの1.0L 3気筒ターボ以上だろう。7速デュアルクラッチATか5速MTが選択でき、1万8825ポンド(約286万円)から提供される。またトリムグレードがRラインへ限定されるものの、109ps仕様も選択できる。
上位クラスに匹敵する高速道路での上質さ
英国ユーザーのうち60%が95psエンジンを選び、75%がライフ・グレードを選択するとフォルクスワーゲンは予想している。今回の試乗車は95psのポロ 1.0 TSI ライフだ。
4年前の発表当時、6代目ポロのストロングポイントの1つが車内の広さだった。それは今も変わらず、空間効率に優れたコンパクト・ハッチバックのまま。より広いモデルといえば、ホンダ・ジャズ(フィット)くらいだろう。荷室容量は351Lある。
95psを発揮する1.0L 3気筒エンジンは、サウンドが少々荒っぽい。それでも回転フィールは滑らか。5速MTは全体的にレシオが高く、快調にシフトアップしていくには、高めの回転数まで引っ張る必要がある。
燃費は良好で、積極的に走らせても17.5km/L前後は得られる様子。高速道路での上質さは感心するほどで、上位クラスのモデルにも匹敵するものだと思う。
今回のフェイスリフトでポロが獲得した新たな強みが、競争力のある装備。LEDヘッドライトと8.0インチのインフォテインメント用モニター、モニター式のメーターパネル、マルチファンクション・ステアリングホイールなどが標準装備となった。
モニター式のメーターパネルが、車内のモダンさを引き立てている。ただし、英国ではデジタルコックピット・プロをオプションで選ばない限り、モニターの半分が機能しないようだ。