ポルシェ、LMDh参戦マシンを一部公開 2023年ル・マン投入予定 ドライバー2名の起用も

公開 : 2021.12.20 21:05

ル・マン24時間に復帰のポルシェがLMDh車両を初公開。経験豊富なドライバー2名の採用も発表されました。

世界トップレベルの耐久レース復帰車両

ポルシェは、2023年のル・マン24時間レースで使用する車両を初めて公開した。同社は、世界トップレベルの耐久レースであるル・マン24時間に2023年から復帰し、LMDh規定で作られたニューマシンを投入する。

来年からこのマシンで大規模なテストプログラムを開始する予定で、開発作業のリーダーとして経験豊富なレーサーのデーン・キャメロンとフェリペ・ナスルを起用した。

ポルシェが公開したティーザー画像
ポルシェが公開したティーザー画像    ポルシェ

公開された画像は、カモフラージュが施された車両の一部を拡大したもので、主にリアエンドと大型リアウイングの形状を見ることができる。また、低い位置に配されたブレーキライトも写っている。ポルシェが最も自由にスタイリングできるフロント部分は公開されていない。

トヨタプジョーのLMH規定とは異なり、LMDh規定ではシャシーを4社(ダラーラ、オレカ、リジェ、マルチマチック)の中から1社を選んで調達しなければならない。ポルシェは、2023年に同じくLMDhクラスに参入するアウディと共同でプロジェクトを進めており、両車ともマルチマチック社製のシャシーを使用する。

空力スペックは決まっているが、ポルシェは市販車とリンクさせるために特注のボディワークを装着し、また独自のパワートレイン要素を追加することも可能だ。最高出力は680psに制限されている。

米IMSAにも参戦 ドライバーは経験豊富なベテラン

LMDh規定のマシンは、ル・マンを含む世界耐久選手権と米国IMSA選手権の両方に参加することができる。ポルシェは、米国の有力チームであるチーム・ペンスキーのワークスプログラムとして、両方に参戦する予定だ。

ドライバーに起用された米国人のキャメロン(33歳)は、IMSAでのレース経験が豊富で、2016年と2019年の2回、プロトタイプのタイトルを獲得している。また、ペンスキーが運営するワークス・アキュラでは3シーズンを過ごした。

ポルシェが公開したティーザー画像
ポルシェが公開したティーザー画像    ポルシェ

ブラジル人のナスル(29歳)も、2018年と今シーズン、アクション・エクスプレス・レーシングのドライバーとしてIMSAのタイトルを2度獲得している。2015年と2016年には、ザウバーからF1に参戦した。

ペンスキー・ポルシェ・モータースポーツは、1月から新型LMDhマシンの「大規模」なテストプログラムを開始する予定だ。

ポルシェは2023年に耐久レースに復帰する際、厳しい競争に直面することになる。LMHクラスのトヨタとプジョーのほか、アウディ、アキュラ、BMWフェラーリなどのメーカーが2023年以降のLMDhに参戦することになっているのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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