燃費競争うんざり? 走りって楽しい国産コンパクト・ハイブリッド4選

公開 : 2021.12.31 09:45

燃費で優劣をつけるのは簡単ですが、優れた燃費×運転の楽しさではどのクルマ? 4台を挙げます。

多くの人は「燃費」を意識

「これからはEV(電気自動車)だ!」「エンジン付きのクルマに乗るなんて野蛮だ!」と声高に叫ばれている昨今のクルマ事情。

しかし、いま車両1台あたりの二酸化炭素の平均排出量がもっとも少ないメーカー(EV専門ブランドを除くメジャーブランド)が量産EVを本格販売していない「トヨタ」と聞けば意外に感じる人も多いかもしれない。

ハイブリッドと言えば燃費で比較されがちだが、アクセルを踏む楽しさでランク付けする。
ハイブリッドと言えば燃費で比較されがちだが、アクセルを踏む楽しさでランク付けする。

なぜ、トヨタが世界中のメーカーの中でもっとも二酸化炭素の平均排出量が少ない(=メーカー内の平均燃費がいい)のか。

それはハイブリッドの力だ。

たしかに、走行中の二酸化炭素排出が「ゼロ」というEVの強みはインパクトがあるが、数が多くないと全体に対する効果は薄い。

いっぽうトヨタは販売におけるハイブリッド比率が高いので、メーカー内の二酸化炭素排出量平均で世界ナンバーワンに立つという理屈である。

すこし前に某環境団体が「自動車メーカーの気候変動対策ランキング」を発表して最下位がトヨタだったが、状況を知っている人から見ればその判定は質の悪いジョーク以外の何物でもない。

ハイブリッドの力は偉大なのである。

とはいえ、日本ではユーザーの認識として「二酸化炭素排出量が少ないから」という理由でハイブリッドを選ぶ人は少ないに違いない。

多くの人は「燃費」を意識しての選択ではないだろうか。

しかし、ここで声を大にして世のかなに問いたい。運転好きならハイブリッド車もドライバビリティ重視で選ぶべきではないか、と。

各社を代表するHV比較

ハイブリッドは燃費に優れるけれど運転が退屈な乗り物。

1997年に世界初の量産ハイブリッドカーであるトヨタ・プリウスの初代モデルが発売して以来、長きにわたってハイブリッドはクルマ好きにそう思われていた。そして、それは事実だった。

しかし、今となっては古い認識と言わざるを得ない。

退屈などころか、なかにはガソリンエンジン車に比べても楽しいユニットが存在する。

そこで今回は「心地よさで選びたいハイブリッドコンパクトカー」として、ドライバビリティの側面から見た魅力ランキングをお伝えしよう。

ハイブリッドと言えば燃費で比較されがちだが、アクセルを踏む楽しさでランク付けしようというのだ。

比較するのは、各社を代表するハイブリッドのコンパクトカーでトヨタ・ヤリスアクアホンダフィット、そして日産ノートだ。

参考までに燃費をチェックしておくと、ヤリス・ハイブリッドは36.0km/L、アクアは35.8km/L、フィットは29.4km/L、そしてノートは29.5km/Lだ(いずれももっとも燃費に優れる仕様のWLTCモード値)

カタログ燃費でいえばトヨタ勢の圧勝となるが、それがイコールドライバビリティの高さを示すわけではないのは言うまでもない。

ヤリスは、量産ハイブリッドのパイオニアであるトヨタが先進国向けのコンパクトカーとして用意しているモデル。

そのハイブリッドで特筆すべきは世界最高水準の燃費だが、ドライバビリティに関しても先代にあたるヴィッツ・ハイブリッドを大きくしのぐ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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