2021年、一番売れたクルマは? 上半期の上位は「異変」 1位は「圧倒的」
公開 : 2021.12.31 08:25 更新 : 2021.12.31 12:17
およそ想像がつく? でも振り返っておきましょう。2021年もっとも売れた普通車/軽自動車。
2021年上半期の上位に異変
昨年からのコロナ禍による悪影響だけでなく、半導体不足という逆風までみまわれたのが2021年の自動車業界だ。
とはいえ、2021年の登録車の新車販売台数は11月までで前年比97.4%、軽自動車でも97%と、なんとか前年に近い数字を稼ぎ出している。コロナ禍前にまで挽回できたわけではないが、ぎりぎりのところで踏ん張っているという状況だ。
そんな厳しい状況であっても、新車は例年通りに近い数が登場している。
トヨタからは、アクアやカローラ・クロス、ランドクルーザー、GR86が発売されているし、ホンダはヴェゼルとシビック、日産はノート(昨年暮れに発売)とノート・オーラを投入している。
ところが登場するタイミングが、おかしかった。
どういうわけか年の前半に登場したモデルが少なく、秋ごろに集中してしまったのだ。
ノートは昨年の暮れであったけれど、年の前半に投入されたのは、ヴェゼルが4月にあったくらい。
それ以外は、6月にノート・オーラ、7月にアクア、8月にシビック、ランドクルーザー、9月にカローラ・クロス、10月にGR86といった具合。
1年を通じて販売できたのは、これらの新顔の中ではノートくらいしかなかったのだ。
新型車の登場遅れ 前半上位は
新型車の数はあるものの、夏以降の投入が過半数を占めた。その結果、2021年の前半(1~6月)のランキングは以下のようになった。
1位 トヨタ・ヤリス(11万9112台)
2位 トヨタ・ルーミー(7万7492台)
3位 トヨタ・アルファード(5万6778台)
2位となったルーミーの現行モデルの登場は2016年11月、3位のアルファードは2015年1月だ。
数ある新型車を押しのけて、古いミニバンが上位に2モデルも食い込んでいたのだ。
ルーミーとアルファードは、どちらも、タンクやヴェルファイアといった兄弟車が廃番に向かったため、数字を稼いだという背景はある。
マイナーチェンジなどの改良も定期的におこなわれており、高い商品力を保っていたとはいえ、それでも驚異的な数字と言えるだろう。
ちなみに軽自動車の人気上位も、ホンダ・Nボックスをはじめ、ダイハツ・タント、スズキ・スペーシアと、その多くが両側スライドドアを持つ。
普通のドアのモデルをベースに、わざわざ両側スライドドア仕様としたダイハツ・ムーブ・キャンバスやワゴンRスマイルという新型も人気を集めている。
登録車も軽自動車も、そろって上位に両側スライドドアを持ったミニバンが並ぶのが今の日本。
いかにミニバンの人気が根強いかを感じさせる結果だ。