新型ステップワゴン話題 ノア/ヴォクシーも新型へ 2022年「ミニバンウォーズ」の行方

公開 : 2022.01.08 05:45  更新 : 2022.01.20 15:17

新型ホンダ・ステップワゴンに加え、2022年は新型ノア/ヴォクシーも登場。「ミニバンウォーズ」の行方を解説します。

2022年「ミニバンウォーズ」

2022年の新車業界を予測するキーワードの1つは「ミニバンウォーズ」だ。

いま、ミニバンの市場はSUV人気に押されてかつてほどの盛り上がりはない。それは事実である。

ホンダ・ステップワゴン・スパーダ
ホンダステップワゴン・スパーダ    前田惠介

しかし、特定のジャンルや車種に関しては根強い人気をキープしメーカーとしても手が抜けないマーケットだ。

その1つが大型ミニバンであり独走状態となっているトヨタアルファード」で、もう1つの手堅いクラスは「Mクラス箱型ミニバン」。

トヨタ「ノア」と「ヴォクシー」、日産セレナ」、そしてホンダ「ステップワゴン」が熾烈な争いを繰り広げているマーケットである。

2022年は、しばらく落ち着いていたそのマーケットがついに大きく動きだす。

「元に戻った」ステップワゴン

まず動くのは、ステップワゴン。正式発売はもう少し先としつつ、「ワールドプレミア」として正月明けの7日に一部の情報が解禁された。

公開されたスタイルを見て驚いたのは、1周まわって元に戻ったこと。

ホンダ・ステップワゴン
ホンダ・ステップワゴン    ホンダ

直線的なデザインで初代や2代目の特徴だった「箱感」が強調されているのだ。

そんな大胆なデザイン変更の背景にあるのは、「デザインを受け入れられなかった」という「先代を買わなかった人」の声だろう。

スタイルの原点回帰は、ステップワゴンという存在、そして「誰のためのどんなクルマか?」というコンセプトをもう1度考え直したからに他ならない。

デザインと存在感に関してはシンプルな道具感が新型の特徴となりそうだ。

一方でインテリアは、7人乗りの2列目にロングスライドやオットマンを新たに採用するなど上級化がおこなわれた。

2021年末に上級ミニバンの「オデッセイ」が日本での販売を終了したことで、新型ステップワゴンは日本市場でのホンダにとって最上級ミニバンのポジションも担うことになった。

豪華さと快適性が増したシートからは、そんな立ち位置の変化も感じる。

まだ公開されていないパワートレインは、従来どおり2.0Lエンジンにモーター組み合わせたハイブリッドの「e:HEV」を中心としつつ、1.5Lガソリンターボエンジンも一部グレードに残されることになるだろう。正式発表は春頃とされている。

オラオラ感強く ノア/ヴォクシー

そんなステップワゴンの直接ライバルであり、販売面で優勢となっているのがトヨタのノアとヴォクシー。

ステップワゴンに先立って新型が正式発売されることになりそうだ。

トヨタが公開したノア/ヴォクシーのティザー画像
トヨタが公開したノア/ヴォクシーのティザー画像    トヨタ

まずおもしろいのは、デザイン。

ステップワゴンが従来の標準仕様に相当する「エア」だけでなく上級カスタム仕様の「スパーダ」においてもシンプルなテイストを貫いているのに対し、ノアとヴォクシーは事前に公開された顔つきのイメージ写真を見る限りまるで兄貴分のアルファードのようにオラオラ顔を際立たせることになりそうな気配。

ホンダとトヨタのデザインに対する考え方の違いがなんとも興味深い。

メカニズムは、従来のプラットフォームを継承するステップワゴンに対して、ノアとヴォクシーは初のミニバン用TNGAとなる新設計プラットフォームを組み合わせることになるだろう。

ハイブリッドは従来どおり1.8Lエンジンを組み合わせるがさらに効率を高めて燃費性能アップ、ガソリン車は「RAV4」などと同じダイナミックフォースエンジンとなり動力性能が高まると予想されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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