ジャガーXJ(X350系) アルミ・ボディにクラシカルな見た目 英国版中古車ガイド
公開 : 2022.01.13 08:25
アルミボディを持つ、X350系のXJ。現代ジャガーへ展開する新技術を採用したサルーンを、英国編集部がご紹介します。
もくじ
ーオールアルミ製モノコックにエアサス
ーモダンとクラシックが融合した車内
ー手に入れるなら絶好のタイミング
ーオーナーの意見を聞いてみる
ー購入時に気をつけたいポイント
ー英国ではいくら払うべき?
ー知っておくべきこと
ー英国で掘り出し物を発見
オールアルミ製モノコックにエアサス
ジャガーXJはこれまで50年以上に渡って、スタイリッシュでラグジュアリーな英国製サルーンであり続けてきた。そんななかで今回は、2003年から2009年に製造されたX350系へ焦点を当ててみたい。
イアン・カラム氏がデザインを施した、新生X351系XJから1つ前の世代に当たる。丸目4灯のスタイリングはややクラシカルだが、その後のジャガー・モデルへと展開する新しい技術が詰め込まれたXJだ。
特長の1つが、接着剤とリベットを用いてパネルを組み立てるリベットボンディングという技法で、オールアルミ製のシャシーとボディが製造されていたこと。航空機分野では用いられていた技術の1つだったが、自動車へ採用したのはXJが初めてだった。
その結果、先代のX300系XJと比べて、ボディは約40%も軽量。剛性も50%ほど高く仕上がっている。
さらに特徴といえたのが、電子制御のセルフレベリング・アダプティブ・エアサスペンションの搭載。現代のラグジュアリー・サルーンでもお手本と呼べるような、上質な乗り心地を実現している。
加えて緊急ブレーキアシストにトラクションコントロール、ダイナミック・スタビリティコントロールなどの機能も搭載。安全面での電子的なサポートも充実していた。
モダンとクラシックが融合した車内
インテリアの設えは、同時期のメルセデス・ベンツSクラスに匹敵。モダンとクラシックとが見事に融合したデザインが与えられている。ウッド・ステアリングホイールとふんだんに用いられたレザーで、伝統的な英国車の雰囲気を味わうことができた。
デュアルゾーン・エアコンにオートヘッドライト、オートワイパー、キーレスエントリーなど、現代的な装備も充実している。8スピーカーによるサウンドシステムが、長距離移動を豊かな時間にしてくれた。
明るいキセノン・ヘッドライトにクルーズコントロール、熱線入りステアリングホイールなど、オプショも多彩。フロントシートのヘッドレスト後面にマルチメディア・モニターを追加すれば、リアシートでDVD鑑賞も可能だった。
X350系XJのエンジンは、最高出力240psの3.0L V6自然吸気ガソリンがエントリーユニット。V型8気筒エンジンは3.5Lと4.2Lの2種類が用意され、どちらも自然吸気で、264psと296psを発揮した。
さらに高性能なXJRも登場している。4.2L V8エンジンにスーパーチャージャーをドッキングし、400psを達成。0-100km/h加速5.3秒という俊足を誇った。
2005年から、英国ではディーゼルエンジンも選べるようになっている。2.7L V6ツインターボで、高い人気を得た。