フィアット・パンダ(2代目) 英国版中古車ガイド 今も人気の100HPと4x4

公開 : 2022.01.22 08:25

ファンからの熱い支持を保つフィアット・パンダ。ホットな100HPも存在した2代目を、英国編集部がご紹介します。

手頃に探せる魅力的なイタリア車

クルマ好きなら、2代目フィアット・パンダにも、小さくないシンパシーを感じるはず。2003年まで製造されていた初代の人気も揺るがないものだったが、テクノロジーやデザイン、操縦性で大きな飛躍を遂げた2代目も、忘れられない存在だ。

100HPというホットハッチ仕様からオフロード向きの4x4まで、バリエーションの豊かさも特長。それは現行の3代目へも受け継がれている。

フィアット・パンダ 100HP(2代目/2006〜2010年/英国仕様)
フィアット・パンダ 100HP(2代目/2006〜2010年/英国仕様)

さらにうれしいポイントが、今でも少なくない2代目パンダの中古車が流通し、手頃な価格が付いていること。英国の場合、2005年式で1.1Lエンジンのベーシックなパンダを、500ポンド(約8万円)で購入することもできる。

イタリア車ファンに人気の4x4でも、2000ポンド(約31万円)ほど。見た目以上にスリリングな走りを楽しめるパンダ 100HPですら、5000ポンド(約78万円)も用意すれば状態の良い例を探すことができる。濃い個性と希少性を考えれば、破格といって良い。

もちろん、発売から20年近くが経過するイタリア車だから、予算だけで選ぶことは避けたい。実用主義のモデルだとしても、注意するべき点はいくつか存在する。

ただし、メカニズムの信頼性は決して低くない。それに続いた3代目パンダも評判は高く、フィアットは壊れやすい、というイメージを見事に風化させた。

信頼性は比較的高く、燃費は良好で実用的

2代目フィアット・パンダで想定できるトラブルは、どれもが比較的軽度なもの。手頃な趣味グルマとして、選択を諦める必要はないだろう。

挙げるなら、ボディの塗装や内装パネル、電気系統や足回りの劣化が手間のかかる主な項目。ただし、4x4と100HPの場合は、ヘッドガスケットの不具合と、それに伴うエンジンオイルとクーラントの混入などにも気を配りたい。事故歴にも注意だ。

フィアット・パンダ 100HP(2代目/2006〜2010年/英国仕様)
フィアット・パンダ 100HP(2代目/2006〜2010年/英国仕様)

荷物の運搬能力をクルマに求めるなら、パンダは候補に入りにくいかもしれないが、荷室には200Lの容量がある。現代のBセグメント・ハッチバックにも引けを取らない広さがある。リアシートを倒せば、861Lまで拡大できる。

キャンプ用品やマウンテンバイクも、問題なく積める。パンダはとても使い勝手が良い。

実用的なコンパクトカーとして燃費も良好で、前輪駆動の8バルブ1.1Lエンジンなら、17.0km/L位は期待できる。高速道路がメインなら、英国では1.3Lディーゼルターボが良いだろう。燃費は更に伸びるはず。

四輪駆動システムを搭載し、車高が高められたパンダ 4x4の燃費は若干落ちるが、想像の範囲に収まる。100HPが搭載する16バルブ1.4Lターボユニットでも、15.0km/Lほどは得られる。

とはいえイタリア車のファンなら、100HPの0-100km/h加速9.5秒という活発な走りに強く惹かれるはず。見た目と相まって、想像以上に速く感じられる。また、悪天候時の4x4の頼もしさにも、心が奪われてしまうのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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