三菱K-EVコンセプトXスタイル登場 eKクロスっぽい軽EV 普及のための課題は?
公開 : 2022.01.19 05:45
三菱K-EVコンセプトXスタイルが登場。eKクロスのような外観の軽EVが、受け入れられるための課題を考察します。
外観 なぜeKクロスっぽい?
三菱は東京オートサロン2022(2022年1月14日~16日)でK-EVコンセプトXスタイルを世界初公開した。
K-EVは、その名のとおり軽自動車のEV(電気自動車)を指す。
三菱のブースで実車を見たが、外観は「ほぼeKクロス」という雰囲気だ。
その理由について、三菱の加藤隆雄社長は報道陣に対し「EVは特別なクルマというイメージではないことを示すため」と外観デザインに対するこだわりを説明した。
技術的な詳細、また価格について、今回は詳細な発表はない。
ただし、オートサロン初日に三菱ブースでK-EVコンセプトXスタイルの説明員は「満充電での航続距離は約170km」という数字を示した。
また、三菱と軽EVを共同開発している日産が2021年8月27日に公開したニュースリリースによると、搭載するバッテリー容量は20kWhで、価格は国や地方自治体などの購入補助金を考慮すると約200万円からとなる見込みとしている。
そのため、三菱のK-EVの量産モデルでも、20kWhで実質約200万円という想定が成り立つ。
発売時期については、三菱も日産も「2022年度明け」としてしている。
今回最新型の軽EVの姿が明らかになったことで、三菱と日産以外のメーカーからも軽EVが次々と登場することになるのだろうか?
「アイミーブ」が残したもの
量産型の軽EVといえば、三菱アイミーブがその草分け的存在だった。
その母体となった三菱アイは、エンジンをリアミッドシップとして、車内空間を広くし、また走りの良さが特長だった。
アイの床面にリチウムイオン電池パックを置いたアイミーブは、アイ本来の車体構造が奏功してズッシリとしながらも運転しやすい印象があった。
アイミーブが登場した2010年代前半は、グローバルでみると大手自動車メーカーによる量産型EVは日産リーフのみだった。
いまでは巨大企業へと成長したテスラは、英国ロータス・エリーゼの車体をベースとしたロードスターを生産していたが、販売台数は限定的という時代でもあった。
こうした中、日本では世界に先駆けて、国が主導するかたちで全国規模のEVおよびプラグインハイブリッド車による実証試験を展開した。それら実証試験の多くで、アイミーブが使用された。
また、一般ユーザーの間でも、社会トレンドにいち早く対応するアーリーアダプターと呼ばれる層でアイミーブの需要が生まれた。
だが、アーリーアダプターを核として、さらに一般向けへのアイミーブが一気に広がっていくような社会トレンドには至らなかった。
その原因は、価格の高さ、満充電での航続距離の短さ、充電インフラの数の少なさなどが挙げられる。