ブームは一過性? 「キャンピングカー」販売 自動車メーカーの腰が重いワケ
公開 : 2022.01.22 05:45 更新 : 2022.01.22 19:58
コロナ禍の影響でキャンピングカーが人気ですが、自動車メーカーの参入が積極的とはいえないワケを解説します。
ブームは一過性?
キャンピングカーブームと言われて久しいが、このトレンドはいつまで続くのだろうか?
東京オートサロン2022(2022年1月14日~16日、於:千葉県幕張メッセ)での現地取材や、直近での各方面への取材をもとにあらためて考えてみたい。
キャンピングカーが世の注目を一気に浴びるようになったのは、2020年春以降だ。
新型コロナ感染症の社会的に影響が、人々の予想を遥かに超える規模でグローバルで拡大する中、人々の生活習慣に対する意識に変化が生まれた。
キャンピングカー本来の利用方法であるキャンプのみならず、活用方法が広がっていった。
「三密」を避けるための移動空間として、また自宅駐車場や公共施設などに駐車して使う仕事や遊びの空間として、「リモートオフィス」という言葉もキャンピングカーに対してメディアやSNS上で使われることが増えていった。
こうした社会状況の変化は、コロナ禍という有事における一過性の出来事なのだろうか?
言い方を換えると、現在(2022年1月中旬)に第6波となった感染状況が今後、収束に向かうことがあれば、キャンピングカーブームも終息するのだろうか?
キャンピングカー関連メーカーにとっては当然、一過性のブームではなく、日本でもキャンピングカーライフを楽しむことが定着することを望んでいる。
一方で、大手自動車メーカーは別の見方をしてきた……。
メーカーはまだ「様子見」
「当分は、市場動向の様子を見たい」
大手自動車メーカーでミニバンや商用バンの商品企画関係者たち、または自動車メーカー直系の部品メーカーでアクセサリーパーツを商品企画する人はこれまで、キャンピングカーブームについて大筋に同じような意見を持ってきた。
何をどう様子見なのかといえば、自動車メーカーのカタログモデルとして、キャンピングカーをどう扱うのかという点である。
日本市場でキャンピングカーといえば、トヨタ・ハイエースをベースとしたバンコン(バンコンバージョン)が主流だ。
その他には、軽キャン(軽自動車キャンピングカー)としてホンダNバンやスズキ・エブリイワゴンも需要が増加してきた。
こうしたベース車に対する架装は、全国各地のキャンピングカー専門業者が少量で対応してきた。
それが、2010年代に入り、需要が安定して拡大し始めると、そうした専門業者の中からメジャー処が生まれ、年間対応台数が数百台レベルに達する企業も出てきた。
さらには、自動車メーカーと正式に新車販売の基本契約を結んでいる、いわゆる地場系の自動車販売会社の中で、独自に架装を施して販売する、いわゆる「販社架装」も徐々に始まっている。
とはいえ、自動車メーカー側の表面上の動きはまだ鈍い……。